「上大崎に8800万円のマンション購入も」レギュラー番組12本から30歳で仕事ゼロ 森脇健児が「どん底期」に気づいた光
だから、仕事が全部なくなったとき、「これでようやく神輿から降りられる」とホッとしていた自分がいました。ただ、結婚して子どもも2人いたので、家族を養っていかなくてはいけません。家と車を売って、関西でゼロからやり直すことにしたんです。そのころにはバブルが弾けていたので、マンションは2200万円まで下落。売却したら手元に1000万円くらい残ったので、ローンは返せたのですが、あれほど稼いだお金は、泡のように消え去りましたね。
■髪の毛は抜け、グチや不満が止まらなかった ── まさに、身ひとつで関西に戻られたのですね。 森脇さん:借金がなかったのはさいわいでした。でも、いま思えば、何も持ってなくてかえってよかったのかもしれません。もしも当時、家賃収入などの不労所得があったら、きっとこれほどがむしゃらにはなれなかったでしょうから。そうなると、いまのぼくはいません。 ── 気持ちが荒んでしまったり、腐りそうになったりすることはなかったですか?
森脇さん:そういう時期もありましたね。メンタルが追い込まれ、髪の毛はほとんど抜けてしまいました。いちばん停滞していたころを振り返ると、グチや不満、人の悪口ばかり言っていました。情けない自分を認めたくなくて「番組の企画が悪い」「スタッフが悪い」と、周りのせいにして…。そんなんだから、当然、周りの人がどんどん離れていって、そのうち誰もいなくなってしまった。孤独でしたね。 どん底状態のとき、頭によぎったのは、高校時代の陸上部の監督の言葉でした。「努力するもの夢語る。サボる人間グチ語る」。その通りだなと思いました。そこから、ダメな自分を変えようと決意。グチや泣き言はいっさいやめて、素直、謙虚な態度、感謝の心を大切にして、とにかく自分はツイているし運がいい、人とのご縁があるんだと考えるようにしたんです。そうしているうちに、だんだん周りとの関係もよくなって、仕事を少しずつもらえるようになっていきましたね。