アニメも放送された人気急騰中の「ガールズケイリン」…人気選手3人が語る“美しく華麗な戦い”の魅力
日本発祥のスポーツ『競輪』の進化が止まらない。 熱戦が展開されているパリ五輪でも‘00年から「KEIRIN」として正式種目に認められるなど、競技として大きな注目を集めている。その人気は広がる一方で、経産省の発表によると、’22年の車券売り上げは1兆円の大台を突破したという。 【画像】か、かわいい…!注目の競輪女子3選手「お互いに戯れ合って…」の素顔写真 「ネットでの購入システムの確立も一因ですが、競馬や競艇にはない人間の脚力のみで勝負する世界にハマる人が急増しています。競輪は、バンクの最後の一周で勝負が決まると言ってもいい競技。風をどう味方につけ、いつ誰がトップに抜け出すか、その駆け引きが猛スピードで繰り広げられます。男子選手だけでなく、女子の『ガールズケイリン』の世界もそれは同じ。ふだんの愛らしさからは想像もつかない形相でゴールを目指す彼女らのギャップと熱気に、どハマりする人が増えているのです」(スポーツジャーナリスト) 実際に今、「ガールズケイリン」への注目が高まっている。今年4月期には「ガールズケイリン」を舞台としたTVアニメ『リンカイ!』が放送されるなど、その人気も右肩上がりだ。 そこで、FRIDAYデジタルは今回、進化を続ける「ガールズケイリン」を支える選手から、注目すべき一押しの3選手にスポットライトを当てた。彼女らの素顔から、競技の魅力に迫る――。 ◆高木佑真 選手(ゆま・25) 最初に紹介するのは、キャリア5年の高木佑真選手。’19年7月に伊東競輪場(静岡県)でデビューした。小中学校はバスケットボール、高校時代はスポーツ名門校でサッカーに打ち込んだ高木選手が「ガールズケイリン」の世界へ足を踏み入れたのは意外な理由だった。 「球技にばかり打ち込んでいて、自転車はやってたわけじゃないんですけど、高3の秋、知人の新聞記者さんから『ガールズケイリン』という職業があることを聞いて、すぐに平塚競輪場に観に行きました。見た瞬間、『かっこいい! これは、運命だ』って感じたんです。ゴール前のデッドヒートのあのスピード感、自分もやってみたい、もう即決です」 すでに3度の優勝経験を誇る高木選手。壮大な夢に向け、日々練習に励んでいる。 「元々スポーツを仕事にしたいと思っていました。今はGⅠレースに出場することが目標ですね。男子だと1回のレースで賞金が1億円を超えることもありますけど、『ガールズ』は年間で2千万円ちょっとくらい。でも、そのためには、最上位のカテゴリーのレースの参加資格を勝ち取らないと無理なんです。今は日々のレースで、常に上位に入れるよう頑張っています」 オフの日はもっぱら趣味と語るドライブで気分転換するという。愛車にもこだわりがあり、アルピーヌA110Sを所有している。 「レースは月に2~3本。1レース3日間ですが、前日から決められた宿舎での生活になり、計4日間拘束されます。携帯などの通信機器は全て預け、宿舎で許されるのはウォークマンやBluetoothのないDVDプレーヤーなどだけです。 レースで結果を残すためには、オフの期間の練習が大事なのはもちろんですが、時にはやっぱり気分転換もしないと。わたしは好きな車でドライブしたりお買い物をしたり。すごく田舎が好きなので、将来的には、『ガールズ』で頑張ってお金をためて、自然豊かなところでカフェみたいなことをやってゆっくり過ごしたいなあ、と思っています」 車専門誌に愛車とともに登場したこともある高木選手。愛らしいルックスの中には、女王を目指す、熱い闘志がみなぎっている。 ◆塩田日海 選手(ひうみ・25) 次に紹介するのは、’22年4月松戸競輪場(千葉県)でデビューした塩田選手。高校時代は陸上競技の棒高跳びなどに打ち込み、順天堂大学でも陸上に打ち込んできた。一度は一般企業の就職試験を受けるも、「ガールズケイリン」の道に進んだ経歴を持つ。 「大学で就職活動をしている中で、『ずっと陸上競技をやってきたしスポーツでお金も稼げて仕事にできたらなぁ』と思っていました。そんな時、友人が競輪を教えてくれたので記念に受験したら、なんと合格しちゃって。びっくりして嬉しくて、もうすぐに方向転換しました。 陸上などは会社員として勤務しながら続けるケースがほとんどです。でも競輪は個人事業主。自分の好きなこと1本に集中できる。プロの職業として成立しているところも魅力です」 「ガールズケイリン」ならではの魅力については、こう明かす。 「私は車券を買っていただいている方の期待に応えたいって気持ちが強いです。それに『ガールズ』には、かわいい子がいっぱいいますので、自分の“推し”を見つけていただけたら嬉しいですね。レースにも興味を持っていただけると思いますし、もっともっと楽しくなると思います」 はにかみながらそう答える塩田選手。その微笑みの中には、「職業としてのガールズケイリン」を自ら選び、ファンの期待に応えようとする強い信念が見えた。 ◆中村美那 選手(23) ’20年5月に広島競輪場でデビューした中村選手。現在は競輪選手として活躍しているが、子供の頃は競艇選手になりたかったという。 「小学校の時に父親に連れられてよくみていた、競艇の選手に憧れていたんです。高校3年生の時に競艇の学校を受けたんですけど、視力の関係で入れなくて。そこで競輪の養成所を受けました。競輪は自分の体が資本。自分の力次第で長く続けられます。今では天職だと思っています。 レースでは、普段かわいいとか優しいといわれている女の子たちが、命がけで争う壮絶なバトルが見られます。めっちゃかわいかろうが優しかろうが、自転車に乗ったら性格が変わるという人が多いのでそのギャップは見てもらいたいです」 取材中は常に笑顔が絶えなかった3選手。最後には「最近は、選手も参加するトークイベントが盛んに行われています。わたしたちも、みなさんたちと話して競輪の魅力を知ってほしい。車券を買う、買わないじゃなくて、1人でも多くの方に一度見にきてほしいです」と声を揃えた。 “美しく華麗な戦い”に足を運んでみるのも一興かもしれない。
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