歌手、声優、プロ雀士の“三刀流” 25歳が見せる多彩な顔「できる限り両立していきたい」
2年間にわたる勉強の末にプロ試験に合格、プロ雀士に
一方で、武田はプロ雀士という意外な一面も持ち合わせている。祖父が麻雀好きだった影響で小学生から麻雀に触れていたが、中学生の頃に見たアニメ『咲-Saki-』をきっかけに、徐々にのめりこんでいった。 そして、プロ麻雀リーグ「Mリーグ」を紹介する番組『熱闘!Mリーグ』(テレビ朝日系)への出演をきっかけにプロテストを受けることを決意した。番組による密着企画で臨んだ1回目のプロテストは無念の不合格。「密着がないのは分かっていましたが、すごい悔しくて、どうしてもプロになりたかったので、1年間自主的に勉強して、翌年も受験しました」と、2年間にわたる勉強の末に“プロ雀士”という肩書を手に入れた。 2021年のプロテストに合格してから約4年。「ありがたいことにいろんなテレビ出演やテレビ対局のオファーをいただけて、そこで鍛えられていく内にさらに麻雀のことが好きになりました」。 一方で、雀士としての活動が増えたことで、アーティスト活動との両立に戸惑うこともあった。「プロ雀士としての活動がすごく多くなってきて、両立できているか不安になった時期もありました。でも今は、自分の中でバランスを調整できるようになったので、両立できていると思います」。 今後の目標については、「桜蕾戦を獲りたいとずっと思っています」と初タイトル獲得を誓う。 音楽と雀士、まったく異なるフィールドではあるものの、互いに良い方向に作用することもあるようだ。「麻雀プロとしての私から音楽活動を知ってくれて、Suupeasを応援してくれるファンの方もいらっしゃいます。反対に音楽でしか知らなかった人でも、麻雀を始めてくれている方もいて、すごくうれしいです」。 “歌手・ひなぷ”と“雀士・武田雛歩”――。2つの異なる顔が武田のアイデンティティーにもなっている。「できる限り両立していきたいです」。今後も音楽、声優、雀士としての“三刀流”で自分の道を挑み続ける。
中村彰洋