花咲徳栄吉報届く 昨夏に続き大舞台(その2止) 高森投手、エースに成長 /埼玉
<センバツ高校野球> 花咲徳栄は2019年の秋季関東大会で、1回戦で拓大紅陵(千葉2位)に11―1でコールド勝ち。準々決勝で山梨学院(山梨1位)に1―2で惜敗したが、度々好機を作りだし、先発の左腕・高森陽生投手(2年)が力投した。センバツでも高森投手が主戦となりそうだ。 高森投手は、敗戦投手となった昨夏の甲子園での悔しさをバネにエースへと成長した。岩井隆監督の助言を受けて12月中旬からは新しいフォームを試し、レベルアップを図る。秋季大会で主にリリーフで活躍した鈴木朋也投手(同)や須田新太投手(同)も控える。 打線は井上朋也主将(同)や南大輔選手(同)ら昨夏の甲子園メンバーのほか、秋季大会で活躍した浜岡陸選手(1年)らが軸になる。下位打線も、山梨学院戦で最終回に出塁した渡壁幸祐選手(2年)、栗島駆(かける)選手(同)らが粘りを見せる。 岩井監督は秋季関東大会後、メンバーの守備位置と打順を入れ替えてチームを一新した。層を厚くして攻撃力を高めることが狙いで、メンバーは確実に成長を続けている。 昨年12月に就任した井上主将は、関東大会の反省を胸に、ハードな冬練習も先頭に立って励んできた。「どの選手よりもバットを振ってきた」と勝利への貢献を誓っている。【平本絢子】 ◇「人間是宝」掲げる 部活が盛ん、全国レベル 花咲徳栄(田中一夫校長、加須市)は1982年創立の男女共学の私立高。普通科と食育実践科があり、生徒数は1733人(1月現在)。学校法人佐藤栄学園が運営し、系列校には埼玉栄や平成国際大学などがある。 建学の精神である「人間是宝」には、「人は誰でも努力と勉強次第で、その道の第一人者になれる」という意味が込められている。 昨年は野球部のほか、競泳部が日本選手権やジャパンオープンに出場し、女子サッカー部も県大会で3年連続3冠を果たすなど、部活動が盛ん。主な卒業生には元プロボクサーの内山高志さんや、野球部OBのオリックスの若月健矢捕手、広島の高橋昂也投手、日本ハムの野村佑希選手らがいる。 ……………………………………………………………………………………………………… ◇花咲徳栄・秋の公式戦成績表 県大会地区予選1回戦 ○12―0 草加南 (五回コールド) 県大会地区予選代表決定戦 ○20―1 羽生第一 (五回コールド) 県大会2回戦 ○12―2 秀明英光 (七回コールド) 県大会3回戦 ○8―1 武蔵越生 (八回コールド) 県大会準々決勝 ○10―0 聖望学園 (六回コールド) 県大会準決勝 ○2―1 浦和学院 (延長十回) 県大会決勝 ○8―3 西武台 関東大会1回戦 ○11―1 拓大紅陵 (七回コールド) 関東大会準々決勝 ●1―2 山梨学院 ……………………………………………………………………………………………………… 県勢センバツ成績 第8回(1931年) 川越中 2回戦 第12回(1935年) 浦和中 準々決勝 第14回(1937年) 浦和中 1回戦 第32回(1960年) 大宮 2回戦 第35回(1963年) 上尾 2回戦 第38回(1966年) 大宮 2回戦 第40回(1968年) 大宮工 決勝 ○3―2尾道商 (広島) 第43回(1971年) 深谷商 準々決勝 第52回(1980年) 上尾 2回戦 第54回(1982年) 上尾 1回戦 第57回(1985年) 秀明 1回戦 熊谷商 1回戦 第60回(1988年) 西武台 3回戦 第62回(1990年) 伊奈学園 1回戦 第63回(1991年) 春日部共栄 2回戦 第64回(1992年) 浦和学院 準決勝 第65回(1993年) 大宮東 決勝 ●0―3上宮 (大阪) 第67回(1995年) 鷲宮 1回戦 第68回(1996年) 浦和学院 2回戦 第69回(1997年) 春日部共栄 準々決勝 第70回(1998年) 浦和学院 準々決勝 第72回(2000年) 埼玉栄 1回戦 第74回(2002年) 浦和学院 準々決勝 第75回(2003年) 浦和学院 3回戦 花咲徳栄 準々決勝 第77回(2005年) 浦和学院 1回戦 第80回(2008年) 聖望学園 決勝 ●0―9沖縄尚学 (沖縄) 第82回(2010年) 花咲徳栄 2回戦 第83回(2011年) 浦和学院 1回戦 第84回(2012年) 浦和学院 準々決勝 第85回(2013年) 花咲徳栄 2回戦 浦和学院 決勝 ○17―1済美 (愛媛) 第87回(2015年) 浦和学院 準決勝 第88回(2016年) 花咲徳栄 1回戦 第91回(2019年) 春日部共栄 1回戦