グループリーグで大苦戦! 「森保ジャパン」がアジア杯でクリアすべき 3つの課題
■日本の強みを生かす「ワントップ」が不在 GK同様、選手層に不安を抱えているのがストライカーだ。森保ジャパンの基本布陣で言うならば、「ワントップ」でプレーする人材である。 今回、森保監督がワントップでプレーする戦力として招集したのは、前田大然(セルティック/スコットランド)、上田綺世(フェイエノールト/オランダ)、浅野拓磨(ボーフム/ドイツ)というカタールW杯メンバーと、パリ五輪世代の細谷真大(柏レイソル)の合計4人。 セルティックの古橋亨梧も有力候補だったが、なかなか代表で結果を残せず、アジアカップのメンバーからは外れた。 そんな中、まずベトナム戦で先発した細谷が期待されたようなパフォーマンスを見せられず、後半から上田を起用すると、ダメ押しの4点目をマーク。しかし続くイラク戦では、やはりスタメンを飾った浅野が持ち味を出せないまま後半に上田と交代し、上田もいいところがなく不発に終わった。 前田はイラク戦の後半途中から左ウイングでプレーしたが、こちらもチャンスの場面で決められず。4人とも決定力を欠き、第1次森保ジャパン時代の大迫勇也(ヴィッセル神戸)のような〝不動のワントップ〟が存在しない状態が続いている。 対照的に森保ジャパンの強みは、人材が豊富な4-2-3-1の「3」にあたる2列目だ。現代表の切り札的存在となっている伊東純也(スタッド・ランス/フランス)を筆頭に、三笘、久保、南野拓実(モナコ/フランス)、堂安 律(フライブルク/ドイツ)、そして代表5試合連続ゴールも記録した左ウイングの中村敬斗(スタッド・ランス)ら、クオリティの高い選手がひしめいている。 要するに、ワントップのレギュラーに定着するためには、「誰が出場しても遜色のない、2列目のタレントたちとのコンビネーション」が最大のカギとなるということだ。 しかしながら、組み合わせという部分において、まだワントップの最適解は見つかっていない。とりわけ2列目の選手たちが前を向いてプレーする状況を演出するためには、最前線で起点となってボールを収める能力が絶対的に必要だが、今回招集された4人は相手DFラインの背後を狙うプレーを得意とし、かつての大迫のようなポストプレーは習得できていない。 今回のアジア杯優勝はもちろん、次のW杯を見据えても、このワントップ問題が今後の課題として残されることは間違いない。森保監督としては、アジア杯期間中に最も攻撃が機能する組み合わせを見つけ、解決策につながる感触だけでも得ておきたいところだ。