夜間のタクシーが無くなった街 飲食店のピンチに応えて 全国初・自家用車を使ったデマンドバス運行の取り組みに迫る 広島・庄原市
広島県庄原市で、先週木曜日から夜間の移動手段を確保するための実証実験が始まりました。いったいどのような取り組みなのか、運行初日の様子を取材しました。 【写真を見る】夜間のタクシーが無くなった街 飲食店のピンチに応えて 全国初・自家用車を使ったデマンドバス運行の取り組みに迫る 広島・庄原市 広島県北東部に位置する庄原市。運転手不足でことし5月から午後8時以降のタクシーの夜間営業が休止となっています。列車や路線バスも大半が午後8時ころまでに運行を終えるため、夜間、公共交通機関で移動できない状態が続いていました。 5月から続くこの状態に地元の飲食店は… ■庄原スペインBAR 眞鍋敢 店主 「タクシーが夜間の営業がなくなって、本当に飲食店は困っているので、『誰かやらんかね』という話は飲食店仲間としょっちゅうするんですけど、じゃあやればって話になったら、(みんな忙しいので)いやー…って。飲みに行くのやめた、みたいなことはよく聞くし、本当に庄原で起きていたことなので」 これに危機感を持ったのが、地元の商工会議所でした。 ■庄原商工会議所 平田貴則 主任 「このままだと街の経済機能が低下する、また市民生活、夜の移動の不安がでてくるということが考えられました」 商工会議所などでつくる協議会は国に相談。去年、新設された制度を使って全国初の実証実験を行うことになりました。オンデマンドバス「よるくる」です。 使われる車両は2台。1台は日中、コミュニティバスに使用されている事業用の車両ですが、もう1台は、新しい制度で使えるようになった自家用車です。この自家用車を運転するのは、商工会議所のメンバーなど普通免許しか持っていない一般のドライバー7人。地元バス会社の備北交通と契約を結び、安全講習を受けたうえで運転に臨みます。 ■庄原商工会議所 平田貴則 主任 「誰かが負担過多でやるんじゃなくてですね、みんなで継続してやっていける仕組みを今回つくって行けたら、その布石にできたらなと考えています」 オンデマンドバスの誕生に飲食店のお客さんの反応は…? ■客 「お客さんと宴会をしたときに、お客さんがホテルまで帰るのに、今ですとどうしようかなというところがあるんですけど、これができると送っていただけるので助かるかなと」