つい見落としてしまいがちな「誤字」、「文章を正しく整える方法」を知っていますか
誰もが発信者に
昨年1月に発表された、NTTドコモ モバイル社会研究所による、スマホ・ケータイ所有者のSNS利用動向についての調査によると、LINEの利用率は 83.7%、Twitter(現・X)は43.2%、Instagramは39.9%、Facebookは24.7%となりました。 【マンガ】グーグルが上場したときに「100万円」買っていたら、今いくら? 誰もが発信者となる今の時代、文章のクオリティおよび正確さを保つことは喫緊の課題となっています。そして、その正確さを担保するための有用な技術が「校閲」です。
「校閲」ってどんな仕事?
校閲とは、誤字脱字など表記のチェックのほか、内容の矛盾や誤りがないかどうかも、調べて確認すること。「校正」も似たような意味で用いられることがありますが、厳密にいえば、校正は調べる要素を含みません。 この「校閲」を専門として、日々仕事に励んでいるのが「校閲者」たちです。テレビドラマやドキュメンタリー番組のおかげで、この仕事の認知度は大幅にアップしていますが、実際に校閲者たちはどんな仕事をしているのでしょうか。
校閲に挑戦(1)
例えば、以下のような一文があったとします。 「プラトンの弟子である古代ギリシャの哲学者アスリトテレス(前322-前384)はアレクサンドロス大王の幼少期の家庭教師でもあった」 この文章にある誤りを見つけることができるでしょうか。 正しくは以下のようになります。 「プラトンの弟子である古代ギリシャの哲学者アリストテレス(前384-前322)はアレクサンドロス大王の幼少期の家庭教師でもあった」 「アリストテレス」が「アスリトテレス」となっていました。実はカタカナの間違いは、簡単そうに見えて、とても見落としやすいんです。校閲者にとって必須の作業である、一字一字を丁寧にチェックする基本の大切さに気づかされます。 また、この文章には生没年のよくある誤記もあります。 紀元前の場合、数字が大きいほうが古い年数であるため、生年が大きい数字(より古い年数)で、没年が小さい数字(より新しい年数)。よって、(前322-前384)ではなく、(前384-前322)が正しい表記になります。