米国が新たな対ベネズエラ制裁を準備-公正な選挙を妨害した疑い
(ブルームバーグ): ベネズエラのマドゥロ大統領が7月の大統領選で勝利したと主張していることを巡り、米国は複数のベネズエラ政府当局者を対象とした新たな制裁の準備を進めている。
ベネズエラの選挙管理当局は、マドゥロ大統領が3選を果たしたとの結果を発表したが、野党側は、野党統一候補エドムンド・ゴンサレス氏が大差でマドゥロ氏を破ったことを示す集計を公表。これを受け、首都カラカスなどで抗議デモが相次ぎ、2400人余りが逮捕された。これには100人余りの未成年者が含まれる。
ブルームバーグが内容を確認した文書によると、米財務省はマドゥロ氏と関係のある当局者15人に対する制裁を近く発表する。これら当局者が「自由で公正な大統領選挙の実施を妨害した」としている。
新たな制裁の対象者リストには選挙管理当局や最高裁判所、議会、国家情報局(SEBIN)、軍事防諜(ぼうちょう)総局(DGCIM)のメンバーが含まれる。7月28日の大統領選の投票結果を操作するためマドゥロ氏と共謀したとされる。
米国の計画は今週中にも発表される可能性があるが、最終決定前に変更もあり得るという。
米国をはじめとする諸外国は集計結果に疑問を呈している。米国などはゴンサレス氏が最多票を獲得したと結論付けているが、ベネズエラの検察当局は2日、ゴンサレス氏の逮捕状発付を公表。容疑として公文書偽造や違法行為の扇動、共謀、妨害行為などを挙げている。
米財務省の報道官はコメントを控えた。ベネズエラ政府の担当者はコメントの要請に返答していない。
原題:US Drafts Sanctions Against Venezuelans Over Disputed Election(抜粋)
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