家族が借金の返済で困っているようです。協力して返済しなければなりませんか?
借金は、浪費だけが原因ではありません。何らかの事情でお金を借りなければならないこともあります。借金の返済で困っている家族がいる場合、事情によっては身内として協力したくなる人は多いでしょう。 しかし、身内であっても一緒に返済の義務を負うかどうかは別な問題です。本記事では、家族が借金を抱えて困っている場合に、どこまで協力すべきかについて解説していきます。
家族でも一緒に借金を返済する義務はない
法的な観点でいえば、家族という理由だけで借金を一緒に返済する義務はありません。債務者本人が返済できなくなった場合、代わりに返済を求められるのは連帯保証人または保証人になっている人です。 もしも「家族だから」という理由で代わりに返済を迫られることがあれば、それは違法な請求とみなされます。また、仮に債権者から返済を求める裁判を起こされることがあっても、家族には無関係です。 ただし、債権者が親の場合で、死亡した後まで借金が残りそうなときは注意したほうがいいでしょう。借金が残った状態で遺産相続をすると、借金もそのまま引き継ぐことになります。借金を残して亡くなったときは、家庭裁判所で「相続放棄」の手続きをすれば借金を免れることはできます。
家族が返済できなくなったために影響を受けるケースは?
保証人でなければ代わりに返済する義務は発生しませんが、家族が借金を返せなくなったとき影響を受けるケースもあります。それは、住んでいる家が差し押さえの対象になったときです。 借金をしているのが親で、その親が所有する家に同居している場合、家が差し押さえられれば住むことはできなくなります。ただちに住めなくなるわけではありませんが、競売によって買い手が決まれば明け渡さなければなりません。
家族が借金の返済で困っているときの適切な対処は?
義務は負わないといっても、家族関係が良好であれば協力してあげたいと考えるのは自然なことです。 ただし、家族の性格や借りた事情によっては借金を助長させることもあるため、慎重に判断する必要があります。入院費用などやむを得ない事情ではなく、ギャンブルやぜいたく品の購入などの場合は簡単に助けないという姿勢も大切で、「借りても肩代わりしてくれる」という考えを持たせないことです。 借金の返済が難しくなったときは、任意整理などをして返済を軽くしていく方法も取れます。この方法は債権者との交渉が必要になるため、弁護士に依頼するのが一般的です。借金の額によっては個人再生や自己破産を選択する必要が出てきます。 どのような方法で解決するかは借金の額で変わってきますし、専門家の判断が必要になります。個別に弁護士事務所で相談するのもいいですし、法テラスに行ってみるのもいいでしょう。法テラスは経済的な余裕がない人に向けて無料相談を可能としている機関で、弁護士に委任するときは費用を立て替えてもらえます。
家族が借金返済で困っているときは適切な協力を
たとえ家族であっても、保証人でなければ代わりに借金を返済する義務はありません。協力するのは自由ですが、家族の性格や借金の経緯によっては本人のためにならない場合もあります。 家族が借金の返済で困っているときは、無理のない返済方法を一緒に考えてあげましょう。弁護士など専門家に頼るのも一つの手段ですし、借金に頼らずに済むように対策を考えることも大切です。 出典 日本貸金業協会 返済でお困りの場合 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部