中国とオーストラリアの鉱物巡る緊張に焦点-李首相がパース訪問
(ブルームバーグ): 中国の李強首相は18日、鉱物資源が豊富なオーストラリア西部パースを訪問した。中国による重要鉱物産業への投資を巡る両国の溝が焦点となった。
豪州は世界最大のリチウム生産国で、グリーンエネルギーへの移行で鍵を握る銅やレアアースなど重要鉱物や金属にも恵まれている。だが、豪政府は最近、こうした素材の世界的なサプライチェーンの分散に向けて米国と取り組んでいる。
李首相はこの日、中国リチウム大手の天斉鋰業による合弁事業で、中国政府が奨励したい協力の一例となっているティエンチー・リチウム・エナジー・オーストラリアのクイナナ・プラントを訪問。その後、李氏はアルバニージー豪首相と共にフォーテスキューやリオ・ティント、BHP、中国国家開発銀行、中国銀行の首脳ら中豪の企業経営者と面会した。
国営新華社通信によると、李首相はアルバニージー首相との17日の会談で、中国企業に対する「公平で差別のない」ビジネス環境の整備に期待を示した。
豪州は中国による重要鉱物分野への投資拡大容認に消極的で、中国側はいら立ちを募らせている。チャルマーズ豪財務相は今月、中国とつながりのある投資家に対し、レアアース鉱山会社の持ち分売却を命じた。
アジア太平洋の安全保障環境が米中間で二極化する中、豪州などは重要な鉱物・金属を中国に依存しないよう分散を図っている。中国は最近、2020年の関係悪化時に発動していた豪州の一部産品に対する制限措置の大半を解除したばかりだ。
李首相のパース訪問は4日間にわたる豪州訪問の締めくくりとなった。
原題:China-Australia Mineral Tensions in Focus as Li Visits Perth (1)(抜粋)
--取材協力:Phila Siu、Paul-Alain Hunt.
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Ben Westcott