【ラグビー】大混戦のトップイーストB、原点回帰の丸和が山梨に34-10で快勝
最後のトライこそ綺麗にパスで相手を抜いたプレーだったが、この日の丸和のトライはいずれもスクラムや密集からFWがゴリゴリとねじりこむようなトライばかり。まさに「泥臭い」トライばかりだったが、これこそ後半戦丸和の目指していたラグビーともいえるかもしれない。 しかし、この日のプレーヤー・オブ・ザ・マッチを獲得したのはFW陣ではなく、FBの福本航太(中京大学)だ。この日もキッカーとして3回プレースキックを成功させているが、再三にわたりゴール前で仕掛けてきた山梨攻撃陣を止め切ったディフェンス面でもFBとして「泥臭く」体を張った点が評価されたようだ。
この選出に丸和の内山HCは納得の様子で、「福本はいつも練習も最後まで残って、自分の課題に取り組んでいる真面目な選手。こうした愚直な選手がレギュラーをとって活躍することはチームにとってプラスだと思う。」と目を細めた。 この先のリーグ戦残り試合の展開について聞かれると一転表情を引き締め、「一つ一つやってゆくのみ」とだけ述べた。 これは謙遜も多分にあると思われるが、いっぽうで現在のトップイーストBの実力拮抗ぶりから率直に出たコメントとも捉えられる。 確実に勝てる試合が見込めない対戦相手、1試合の勝ち負けで大きく順位が変わってしまう可能性、星勘定をする余裕などどのチームにもない。この試合を終えて丸和は3勝2敗、山梨は1勝4敗となった。 なお、この試合と同日に開催の明治安田生命と富士フイルムの試合では明治安田が27-24で勝利、勝ち星で互いに2勝3敗の五分となった。このように、12月の全日程終了時に、どのチームが笑っているのか全く予想がつかず、ファンとしては楽しみな展開でもある。 (文:鈴木正義)