映画『好きでも嫌いなあまのじゃく』小野賢章&富田美憂「気持ちが動かないと、声やお芝居には乗ってこない」
■友達は無理に作るものじゃない
Netflix世界独占配信&劇場公開中の映画『好きでも嫌いなあまのじゃく』。本作は“嫌われたくない”高校生・八ツ瀬柊と“嫌われてもいい”鬼の少女・ツムギが織りなす青春ファンタジー。柊役の小野賢章は、ツムギを演じる富田美憂の芝居について「10年前の僕はこんなに上手にできなかった」と称賛。対して富田は「若さって声の高さだけで表現できることじゃない」と、実年齢から離れた15歳の少年を演じる小野のすごさについて言葉にする。 【動画】小野賢章&富田美憂が『好きあま』の魅力を語り尽くす! ――最初にシナリオを読んだときの感想を教えてください。 小野:本作は誰しもが抱えるであろう「言いたいことがあるけど言えない、言わずに我慢してしまう本当の気持ち」というのがテーマにあって。その中で、まだ若いふたりが物語を通して成長していく過程がとても丁寧に描かれているという印象を受けました。心があたたまる作品だと感じています。 富田:ファンタジー要素もあって非日常的な場面もありますが、賢章さんがおっしゃっていたように、自分たちが日常で感じる日々の悩みがテーマにあるので、とても共感しやすい作品だと感じました。家庭や学校での悩みを抱えている方々にも、ぜひ見ていただきたいです。 ――演じるキャラクターの紹介をお願いします。 富田:ツムギは角が生えている見た目からも分かる通り、鬼の子です。小さい頃にいなくなってしまったお母さんを探すために、人間の世界へとやってきました。明るくて元気で、天真爛漫という言葉がピッタリな女の子です。柊と一緒にいるときは彼女の幼い部分が出てしまうこともありますが、同時に成長もしていくので、その過程を見守っていただきたいですね。 小野:八ツ瀬柊くんは遠慮しがちな少年です。それもあってか、なかなか上手く人との距離感を縮められなくて。決して友達がいない訳ではないと思うのですが、例えば同級生のために何かをしてあげても、あまりありがたく思われないんですよ。その関係が、自分の思っている友達とちょっと違うかもと悩んでいる男の子です。そんな彼がツムギと出会い、自分が必要とされることで、誰かを大切に思うことを知っていきます。序盤からの彼の変化にも注目してください。 ――友達って何だろうと改めて考えてしまいます。 小野:僕は本作を通じて、友達って無理に作るものじゃないなって思いました。自然と距離が近づいていき、気が付いたらなっているものなんじゃないかな。