俳優生活40年・妹尾和夫「後輩との再会・思いつきでコント開始」
神谷バッタ・梅マカオ・ミスター妹尾の「コント・パロディフライ」
さっそく妹尾と神谷は、舞台製作に取りかかった。漫画「あしたのジョー」や「巨人の星」「愛と誠」を題材にコントをやってみた。会場は大阪心斎橋に当時あったパルコの劇場。劇場側に交渉に行った際は不安そうな反応ではあったが、ちょうど芝居を誘致したい思惑があったということで話はまとまり、チケット1枚1000円で開催が決まった。 練習場所は地元の公民館。妹尾の実家で酒を飲みながら、日大の後輩、梅山も加わってコントを作った。梅山も神谷とで様々な発想が浮かんではそれを実践。後輩2人はしっかりした芝居もできたため、自然と笑いもとれ、神谷バッタ・梅マカオ・ミスター妹尾の「コント・パロディフライ」は少しずつ活躍していった。 すると、たまたま「関西の演劇文化を活性化させたい」という全国紙の新聞記者が妹尾らの様子を見て取材し新聞に掲載。その効果から客はどんどん増え、ある日、桂三枝(現・文枝)や学生だった劇団そとばこまちの辰巳琢郎氏もあいさつしてくれたという。 公演ができるありがたさ、盛況の舞台はうれしかった。ただ、公演を続けていくプレッシャーもあった。「いつまでこれを続けるのか」。そんな時、テレビの人気オーディション番組を見ていたら「出場者募集」の文字が目に入った。「これ、いけるんじゃないか」。妹尾はその瞬間、また新たな挑戦を思いついたのだった。 ■妹尾和夫(せのお・かずお)1951年11月17日大阪市大正区生まれ。20代半ばから大阪を拠点にドラマ「部長刑事」「必殺シリーズ」「暴れん坊将軍」に悪役で多数出演。現在、テレビ「せのぶら本舗」、ラジオ「とことん全力投球!!妹尾和夫です」(いずれもABC朝日放送)、「妹尾和夫のパラダイスKyoto」(KBS京都ラジオ)で活躍中。