道頓堀開削400年 ── 初陣イベントで「スーパー民謡」大阪元気づけ
THE PAGE大阪 道頓堀開削400年、戎舞台で天馬鈴若&その一味
大阪ミナミは今年、「道頓堀開削400年」を迎えた。ちなみに道頓堀川は1612年に安井道頓(商人)によって開削が始まり、大坂の陣で道頓が死去した後、1615年11月に安井道卜らが堀を完成させたとされる。私財をなげうって開削に尽力した功績を称え、道頓堀川と名付けられたと言われている。こうしてミナミの歴史は道頓堀を中心に始まったと言えるが、とくに今年は大阪城まちづくり400年、道頓堀開削400周年、天王寺動物園100周年など、まさに都市建設における歴史的な節目が重なり、都市魅力創造のシンボルイヤーとして様々なイベントが行われる予定だ。
13年ぶりに戎橋に「戎舞台」が復活した
9日には、早くも道頓堀で初陣イベントが開催された。この日、13年ぶりに戎橋に「戎舞台」が復活した。「戎橋」は、そもそもこの橋が今宮戎神社への参詣の道筋に架けられたことから、「戎橋」の名がつけられたもの。江戸時代には毎年の十日戎に、市中の人々はこの橋を渡って戎さんに詣で、往き帰りの群集で橋上は随分と賑わっていたようだ。「戎舞台」はこの場所に仮設される古例を復興したもの。 この初陣イベントの戎舞台に登場したのは、「天馬鈴若&その一味」。活気に満ちた「Super民謡Fusionステージ」は、魅力たっぷりで、歌と楽器と踊りなど仕掛けも満載。一気に「ミナミを元気に」してくれた。 「ロック・ポップスなどのリズムにのせて歌謡曲・民謡・浪曲や津軽三味線・和太鼓・河内音頭・オリジナルソングなどをコラボミックスして奏でるグループです。私たちでしか味わえない、特別なステージを目指しています」(天馬鈴若さん)
「大阪を元気にしましょう」
リーダーの天馬鈴若さんは、芸能村で有名だった「てんのじ村」(かつて大阪府東成郡にあった)で生まれ育った。父親は浪曲師、母親は三味線曲師(三味線奏者)、さらに祖父は「義経千本桜」などの歌舞伎の早変わりを演ずる舞台芸人で、まさにサラブレッドだ。 幼少の頃から祖父の芸や父の浪曲、母の三味線などを聴き、厳しい訓練を受ける中で、多彩な芸を身につけた。そして中学生の頃、ロックなどの洋楽に目覚めグループサウンズを結成。この時、洋楽と邦楽の融合を思いつき、それが現在のアーティストの原点となった。ステージ構成や演出だけでなく、作詞・作曲もこなし、数々のイベントに出ている。 日本にとどまらず、ヨーロッパやオーストラリアなどでも公演し、元気溢れる華やかなステージはファンを魅了してやまない。テレビやVシネマなどにも出演、2009年には「大阪を元気に!」のテーマでCD「大阪必勝くいだおれ!!」を発売。「私たちのステージを見て、みなさんが元気になって頂ければ、うれしいです。大阪を元気にしましょう!」と、アツいメッセージだ。 (文責/フリーライター・北代靖典)