<わたしたちと音楽 Vol.39>ゆっきゅんが語る、ちょっと自由な男の子としての活動で枠組みを広げていくこと
【ビルボード・ウィメン・イン・ミュージック】(WIM)の日本版実施に伴い展開されている、独自の観点から“音楽業界における女性”にフォーカスしたインタビュー連載『わたしたちと音楽』。Vol.39となる今回は、活動10周年を迎えたDIVAのゆっきゅんが登場した。 2021年にソロ活動DIVA Projectを本格始動し、WEST.やでんぱ組.inc、バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHIなどへの作詞提供するなど溢れるJ-POP歌姫愛と自由な審美眼で活躍の幅を広げている、ゆっきゅん。5才のとき、最初に好きになったDIVAが浜崎あゆみだったと明かすと、その後、特に自分で歌詞を書いている人や自分の世界を作り上げている女性ソロアーティストを好んで聞いていったそうだ。 「好きなものや曲げたくないものを見つけたときに、別にそれを人に表明したり発信したりしなくてもいいと思うんです。“私はこれが好きなんだ”ってわざわざ人に言わなくても、“自分が本当に思っているのはこれなんだ”と心の中だけでも自分に嘘をつかない状態でいられたら、壊れないで生きられるのかなって気がしています。そうやって自分の気持ちを肯定するために、自分にはDIVAたちが孤独を歌い上げる音楽を聴くことが必要だったんだと思うんです」と自身の経験を振り返った。 高校生のときにフェミニズムやジェンダー論に出会ったことで、幼い頃から感じていた違和感の正体がわかったような気がしたと言うと、「“やっぱり自分は間違っていなかったんだ”“やりたいようにやっていいんだ”と思いました。それまでも、“私は別に何も悪いことしていない”という揺るがない気持ちはあったのですが、そのことについてきちんと研究している人がいて、明文化されているのだと知って、救われた思いがした」と説明。 また、2017年に女性の敬称である“ミス”と冠した【ミスiD】のオーディションのを受けたのは好きな表現者たちが審査員だったことが理由で、社会構造への異議を唱えるものではなかったと話すと、「社会の構造に対しては、疲れることばかりですが、“ちょっと自由な男の子”として何をやってもいいんだというのを自分の体で表現することで、自分は枠組みの幅を広げようとしているつもりです」と見解を述べた。 インタビュー全文は特集ページにて公開中だ。また、【ビルボード・ジャパン・ウィメン・イン・ミュージック】の特設サイトでは、これまでのインタビューやプレイリストなどをまとめて見ることができる。 2007年からアメリカで開催されている【ビルボード・ウィメン・イン・ミュージック】は、音楽業界に貢献した女性を表彰するアワードで、2023年版は3月に実施された。日本では、インタビューやライブ、トークイベントといった複数のコンテンツから成るプロジェクトとして2022年秋にローンチした。 Photo:Megumi Omori