女子日本代表の若き司令塔・山本麻衣、パリ五輪出場を目指して挑戦中【バスケ】
負けられない戦いに挑むーー「最後は気持ちの部分が大事」
パリオリンピック出場権獲得を目指す女子日本代表がヨーロッパに向けて、成田空港から飛び立ったのは1月29日。決戦の地であるハンガリー入りする前に、欧州のチームと強化試合をこなして2月8日~11日の本番に備えた。FIBA女子オリンピック世界最終予選(OQT)に向けての日本代表候補にはポイントガードの選手が多く選出されていたが、特に若手のガード陣にとって吉田亜沙美(アイシン)ら国際大会経験の多いベテランガードから学ぶことは多かったようだ。そうした激しい代表争いの渦中でOQTのメンバーに名を連ねた山本麻衣(トヨタ自動車 アンテロープス)に日本での最後の強化合宿で話を聞いてみた。 【表】女子日本代表チームOQTメンバー表をチェック ――日本代表のキャッチフレーズは“走り切るシューター軍団”(その後“走り勝つシューター軍団”に変更)ですが、山本選手はポイントガードでありシューティングガードの役割も担っています。ご自身の役割をどのようにとらえていますか? 「1月10日から始まった最初の日本代表合宿の時に恩塚亨ヘッドコーチからは、『2番(ポジション)がメインでいく』と言われました。その役割はトヨタ自動車でも同じですから、1番だったり、2番だったりしても特にやりづらさはありません。それにシュートは自分の武器ですから得点にどんどん絡んでいくことはもちろんのこと、ポイントガードとしてのクリエイティブな部分も今の日本代表でしっかり生かせると思います」 ――実戦を想定した大学生男子選手と練習をやってみて、1、2番のコンボガードの手応えはいかがですか? 「やはり対戦相手は1番(PG)にプレッシャーをかけてくることが多いので、センターがフラッシュでつないで2番(SG)が受けて、そこからすぐにクリエイトしてプレーに入ることもできますし、手応えは感じています。それに3番(SF)ポジションにシューターの林(咲希/富士通)さんや平下(愛佳/トヨタ自動車)選手もいるから、自分が無理にシュートを打たなくてもいいので、クリエイトするところとシュートをどんどん狙っていくなど、バランスを取りながらできるんじゃないかというふうに思います」 ――今回の代表チームにはガードの選手がたくさんいます。特にベテランの吉田選手からは学ぶことも多いですよね。 「吉田さんはパスセンスの持ち主で、自分にはないものを持っています。ですから、そういう部分で学ぶところはたくさんありますし、日々勉強になっています。例えば、普通の人が出さないようなパスの仕方だったりをするから、『そういう出し方もあるんだ』という気づきがありますね。代表チームで学べることがたくさんあるので、学んだことをしっかりと自分のものにしたいと思います。あとケガで一緒に練習はできませんでしたが、町田(瑠唯/富士通)選手に『こういう時のパスはどうやって出せばいいのか』というのを聞いたりすることもできました。ガードとしてすごく勉強になっている今回の機会を今後に生かしたいと思います」