「ヤクルト、オリックス、楽天が(緊急補強の)調査に動いているが…」オイシックからNPB復帰できる“元戦力外の男”は出てくるのか?
「緊急補強の可能性があるとすればピッチャー。薮田、三上、吉田の3人だろう。薮田は開幕から最高のスタートを切った。球速も出ているし、広島のいい頃に近かった。その後、調子を落としたが、再び上がってきている。三上はボールの質がいい。吉田は制球力を含めて1イニングを任せられる。ただ各球団の編成が見ているのは、すぐに1軍の戦力として使えるのかという点。ハードルは高い」 薮田は14試合に先発して防御率2.49、2勝4敗の成績。防御率はイースタンでランキング5位の位置につけている。ストレートは150キロ前後をキープ。ファームでの安定感は群を抜く。 三上は主にセットアッパーとして24試合に登板して2勝2敗、1セーブ、防御率3.13、吉田もストッパー、あるいはセットアッパーとして25試合に登板して防御率2.45、1勝3敗の数字を残している。 ただ橋上監督は「年齢がネックになっている」という。 「本人たちがどう考えているかわからないが、もし今NPBに復帰するとなると、残り数か月の契約。獲得する側も、それで終わりというわけにもいかないだろう。来年も契約を結ぶ前提での獲得となると30歳オーバーの選手に各球団が慎重になるのも理解できる。ただどうしてもAクラスに入るためには、もう1枚投手がいるというチームであれば、可能性は十分にあると思う」 一方の野手に関しては、橋上監督は「阪神や西武など打線を緊急補強したいチームは多いが、代打を含め、1軍のどこのポジションで使えるのかと考えると、ピッチャーよりも厳しいのかもしれない」との見方をしている。 元阪神の高山は、4月29日のロッテ戦で逆転サヨナラ2ランを放ち、存在感を示したが、以来、本塁打はなく、アピールしなければならない打率に関しても.255と目立たない。中山、田中は、主力メンバーとしてレギュラー起用されているが、中山が打率.241、1本塁打、18打点、田中は打率.238と平均点以下の数字しか残せていない。 過去にNPBを戦力外となり独立リーグを経て、再びNPBに復帰した例はあった。元ダイエー(現ソフトバンク)の山田秋親がロッテへ。日本ハム元ドラフト1位の正田樹はオイシックスの前身のアルビレックス新潟を経てヤクルト入り、また元阪神の歳内宏明も四国アイランドリーグの香川を経て2020年9月にヤクルト入りしている。 “元戦力外の男たち”にとってBCリーグ経由のNPB復帰が“狭き門”だったことは確かだが、オイシックスの場合は、プロの2軍のチームと対戦しているため、編成担当がその実力を把握しやすい。橋上監督も「実際、ファームにいる1軍レベルの選手とも対戦しているのだから、各球団は判断がしやすいと思う。まだ補強の期限まで時間がある。ピッチャー、野手を含め、ここから結果を残し可能性を高めて欲しい」と言う。 デッドラインまで残り1か月と11日。オイシックスでプレーする“元戦力外の男たち”の運命やいかに…。 (文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)
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