4歳のパレスチナ人少女は検問所で無慈悲に射殺された 「謝罪もない」と遺族は嘆く…透けるイスラエル占領の理不尽さ
「エルサレムの外で起きた車両テロ事件の概要について」 エルサレム近郊の交差点で発生した最近の車両テロ攻撃で複数のテロリストを殺害した。監視カメラ映像の通り、子どもを乗せた最初の車両は検問を受けて通過を許可された。テロリストを乗せた2台目の車両が突然加速し、警察官らに衝突した。警察官らは攻撃してきた車両に向けて発砲し、乗員を殺害した。負傷した警察官は病院に搬送された。予備捜査が示唆したのは、警察官がテロ車両に迅速に対応している間に、子どもを乗せた車両が影響を受けた可能性があるということだ。通常通り、事件は徹底的な捜査が進められることになる。 ▽「哀悼も謝罪もない」 ルカイヤちゃんの父親のアフマドさん(41)は憤る。後に運転手から、乗り合いタクシーに30発以上の弾痕が残っていたと聞かされた。「イスラエル警察が発砲したものに間違いない。彼らからすれば、パレスチナ人だから乗客を巻き込んでもかまわなかったのでしょう」。イスラエル側はルカイヤちゃんの遺体を現場から運び去り、引き渡されたのは10日ほど後のことだった。「謝罪も哀悼の言葉もありません。娘の遺体をなぜ持ち去り、何をしたのかすらイスラエルは説明しませんでした」
ルカイヤちゃんはベイトイクサ郊外の簡素なプレハブ住宅で暮らしてきた。屋内にはルカイヤちゃんが大事にしていたソフトビニール製のおもちゃが残されていた。キリンともゾウともつかないこの緑色のおもちゃを「マーヤ」と呼んでかわいがっていたという。 姉のラフマさん(12)は生前のルカイヤちゃんがどんな子どもだったかを教えてくれた。「マーヤに熱心に話しかけながらご飯を食べさせる『おままごと遊び』が最近のお気に入りでした。自分よりも小さな近所の子どもたちに、マーヤの顔を指さして『これは耳』『これは目』とお姉さんぶって教えていて、それがとてもかわいかった」 「家族は明かりを失ってしまったようです」。アフマドさんの言葉には言いようのない無念さがにじんでいた。 ▽国際法に反し、土地を浸食 イスラエルは1948年の成立に際し、建国以前に居住していたパレスチナ人を大量に強制移住させた。反発する周辺のアラブ諸国と敵対するが、1967年の第3次中東戦争に勝利し、複数の地域を新たに支配した。これ以来、ヨルダン川西岸は占領下にある。イスラエルは、西岸の各地でユダヤ人が居住地をつくるのを黙認し、占領地を事実上の自国の領土に組み入れてきた。国際法が明確に禁じるこの「入植」を拡大し、パレスチナの土地を浸食し続けている。