北米興収は『ビートルジュース ビートルジュース』がV2!ブラムハウスの新作ホラーが高評価で2位に初登場
先週末(9月13日から9月15日まで)の北米興収ランキング、前週に引き続きティム・バートン監督の最新作『ビートルジュース ビートルジュース』(9月27日日本公開)がNo. 1を獲得。危なげなくV2を達成したとはいえ、2週目末の3日間興収は、1億ドルを突破した初週末の成績との比較で46.3%と、少々大きめの下落が気にかかるところだ。 【写真を見る】北米累計2億ドル到達も、“初動型”で今後の伸びに黄信号 その2週目末の終了時点で累計興収1億8700万ドルを突破し、2024年公開作の興収ベストテン入りを果たした『ビートルジュース ビートルジュース』。そのまま平日も興収を積み重ね、9月18日の水曜日には同じワーナー配給の『ゴジラxコング 新たなる帝国』(24)を抜き去ることにも成功。海外興収とあわせた全世界興収も2億7000万ドルを突破しており、1億ドルの製作費とマーケティング費用等を勘案しても、黒字収支がほぼ確定的な状態となった。 とはいえ先述の通り、下落率の大きさは懸念材料。9月19日に累計興収2億ドルに届いたものの、公開14日目での到達は、これまでオープニング興収1億ドルを超えた77作品(うち9作品は初週末で2億ドルに到達)のなかで、『アントマン&ワスプ:クアントマニア』(22)、『X-MEN:ファイナル・ディシジョン』(06)、『トランスフォーマー/ロストエイジ』(14)に次ぐ4番目の遅さ。比較的ライバルが少ないタイミングながら、想像以上に初動に傾き気味のようだ。 さて、2位に初登場を果たしたのは比較的最近日本で公開されたデンマーク映画『胸騒ぎ』(22)を、ブラムハウス・プロダクションズとジェームズ・マカヴォイのタッグでリメイクした『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』(12月13日日本公開)。3375館で封切られ3日間の興収は1139万ドルと、今年のブラムハウス作品では『ナイトスイム』(24)のオープニング興収1179万ドルにあと一歩届かなかったものの上々の滑りだし。もちろん制作費は1500万ドルと低めなので、回収は問題ないだろう。 興味深いのは、批評集積サイト「ロッテン・トマト」での想像以上の高評価ぶりである。ここ最近批評家から辛辣な評価を受けがちなブラムハウス作品だが、本作の批評家からの好意的評価の割合は83%と、93%だった『M3GAN/ミーガン』(23)や87%だった『ハロウィン・キラー!』(23)に次ぐ高スコア。また観客からの好意的評価の割合は85%となっており、批評家と観客両方で80%以上のスコアを叩きだしたブラムハウスのホラーは『ブラック・フォン』(21)以来。久々に会心の一打となったのではないだろうか。 文/久保田 和馬