IT企業から独立したエンジニアに起きた「悲劇」 フリーランスには様々なリスクがつきまとう
生命保険や傷害保険を整えておくとか、業務を分散しておくとか、重要な事項は記録簿を作っておくなどをしておくことも大事です。私自身は仮に自分が3カ月入院しても業務が停滞しないように同業者との連携や従業員への一部権限移譲や、緊急時の連絡先を整えておくなど、仕組みを考えています。 ■お金を増やすために日々行動することが重要 いずれにしてもこれらのリスクが生じてもなんとか事業が続けられるカギは「潤沢に現金預金をもつ」ことです。いうまでもなく、事業というのは資金さえあれば赤字だろうが開店休業だろうが続けられます。
近年の大災害やコロナ禍の明暗を分けたのも、「使える資金がどれだけ確保できていたか?」でした。何をおいてもお金が重要になってきます。 サラリーマンを辞める前に、まずは、そのような余裕資金を蓄えられているか、考えておくことが重要だと思います。 前述した通り、フリーランスや個人事業主の方の現状は厳しいことがあるのは確かですが、それでもそこで身につく「自己実現」「仕事を通じて身につく知識や経験」「自分ひとりで生きていく術」は会社員をやっているだけでは得られないことです。
しっかりとどのように生きたいか? 働きたいか? を考えて、そのうえでフリーランスという働き方を選べるのであれば、より充実した未来が待っているのではないでしょうか。
廣岡 実 :税理士法人TOTAL神田事務所所長・税理士