2次避難完了は“全体の8%” 被災地外への避難 スピードが課題
能登半島地震から16日目。石川県内では今も1万6000人余りが避難生活を強いられています。県内外への2次避難が進められていますが、避難者全体の約8パーセントにとどまっていて、そのスピードが課題となっています。 【写真を見る】2次避難完了は“全体の8%” 被災地外への避難 スピードが課題 JNN取材団 根本拓海記者「珠洲市内です。道路の上にあるがれきや、家財の上にも冷たい雪が降り積もっていて、撤去作業などが難しい状況となっています」 16日朝も断続的に雪が降り続いた被災地。最低気温は ▼輪島市三井で-2.8度 ▼七尾で-1.5度 ▼珠洲で-1.2度など 石川県内9つの地点で氷点下と、冷え込みの厳しい朝を迎えました。 JNN取材団・坂口将也記者「こちらの避難所ではインターネットをより快適に使えるようにと、衛星アンテナが取り付けられています。さらにコンパクトなサイズで難しい組み立ても必要なく災害時での活躍が期待されます」 約150人が避難する七尾市の施設には、携帯大手KDDIが提供する人工衛星を使った通信サービス「スターリンク」が導入され、避難所内での通信速度が大幅に速くなりました。 避難していた人は「ほんと繋がっているという感じがするでしょう。心強いですよ。心の支えになります。携帯はね。」 「携帯がないと何にも出来ないんだなって。それこそ電源も無かったから連絡も取れないしどこで待ち合わせをしてどこの避難所にみんないるって感じで。」と話しました。 避難所のインフラに徐々に変化が見られる一方、課題となっているのは被災地以外への2次避難です。 国や県が被災地以外の旅館やホテルなど宿泊施設への「2次避難」を進める中、16日午後2時時点で2次避難をした人は1278人。県内で避難生活を続ける1万6,000人余りのうち約8パーセントにとどまっています。 馳知事は2次避難のスピード感について、「受け入れの人数を増やしている様々な情報を共有して2次避難所に移っていただく。相談支援もしている。そこが回り始めてきている。ペットの支援の問題、そういった個別の問題はみんなの問題であると情報共有が進んできていると思う。どんどん困ったことは言ってもらいたい。対応します」とコメントしています。 一方、再開の見通しが立たない教育現場では被災した高校生のための2次避難が進められています。15日は能登の5つの高校に通う生徒36人が金沢市内のホテルに到着しました。 石川県学校指導課・市澤周治さんは「県立高校で被災されている方、高校生が安心して学習、生活という部分で今後の見通しを持ちながら生活できるよう施策を打てれば」と話しました。 生徒たちは16日から近くの県立高校や、ホテルの朝食会場などを活用し勉強を行うということです。 被災地では寒さと疲労に耐えながらの避難生活が今も続いていて、一刻も早い安全な環境の確保が課題となっています。
北陸放送