『アナ雪』発表されてる3・4作目はどんな内容に? そもそも続編作る「余地」はあるのか
「エルサの生きる道」は変わり続けている
2024年12月6日に、「金曜ロードショー」で『アナと雪の女王2』が放送されました。そのさらなる続編の『アナと雪の女王』3作目(原題『FORZEN III』)は、2027年11月24日に全米公開が予定されており、前2作を手がけたジェニファー・リー氏が3作目の監督と脚本を担当するだけでなく、4作目の脚本もマーク・E・スミス氏とともに執筆中と報道されています。 【画像】え…っ? やっぱいちばん重要? こちらが『アナ雪3』のコンセプトアートに、アナとエルサ以外に描かれていたキャラです ●コンセプトアートに次回作のヒントが? そんなジェニファー・リー氏は、ディズニーのファンイベント「D23 2024」にて「まだ多くの謎が残っている」「その謎に答えるためにふたつの映画が必要になってくる」と告げた上で、新たなコンセプトアートについて「(プロジェクトの)開発段階のものなので、これに縛られることなくつくっていくので、後になって何か言わないでくださいね(笑)」と前置きをしつつ、「よく見るとアナとエルサの次の冒険の種がとらえられています」とも語っています。 そのコンセプトアートでは、「アナ」と「オラフ」が馬に乗っていて、その隣の川には氷の馬「ノック」に乗った「エルサ」もおり、アナとエルサはふたりの謎の影がある空に浮かぶ城を見ていました。また、後ろにはツノと槍を持つ謎の影もあり、オラフはその存在に気付いたようで指さしている……という、なるほど新たな冒険への期待と想像が膨らむものになっています。 その他でも、『アナと雪の女王』1作目と2作目ではまだ描ききれてはない、エルサとアナの「語られるべき物語」が残っているようにも思えます。その理由を記していきましょう。 ※以下からは『アナと雪の女王』および『アナと雪の女王2』の結末を含む、ネタバレに触れています。 ●問い続けられていたのは「エルサの生きる道」 『アナ雪』1作目と2作目で問い続けられているのは、「エルサがどういう生きる道(居場所)を見つけていくか」であり、これは3作目および4作目でも踏襲されるのではないか、と筆者個人は予想します。1作目と2作目のエルサが歌う楽曲と、その物語を振り返ってみましょう。 たとえば、『アナ雪』1作目の「レット・イット・ゴー ~ありのままで~」が歌われるシーンそのものは「氷の城に閉じこもる」という後ろ向きな選択にも思えましたが、それは同時に自身の氷の力(あるいは本当の自分の資質)をもう抑圧しなくていい、という解放感を歌い上げたものでした。最終的には、エルサは氷の力をコントロールできましたし、アレンデール王国の人びとに受け入れられます。 その「自分の資質が今いる社会に受け入れられる」1作目の着地も、もちろんハッピーエンドなのですが、『2』ではそれがエルサにとっての唯一の選択とは限らないと、彼女は「イントゥ・ジ・アンノウン」で「今いる場所から未知の世界へ旅立つこと」を歌い上げました。 その『2』で最終的にエルサは、自身の母である「イドゥナ王妃」が森で暮らす民族「ノーサルドラ」の女性だったこと、さらに自身が「第5の精霊」だったこともわかり、アレンデール王国の女王の座をアナに明け渡して森で暮らすことを選択しますが、アナとは「これからも2人でね」とも約束をしています。つまりは大切な人と離れていても「変わらない」こともあるし、心はつながっていられる、という結末になっていました。 ●今後描かれるのはエルサにとっての「本当の幸せ」? そのようにエルサが生きる道を探し続けた『アナ雪』の3作目および4作目で語られるべきことは、エルサにとっての「本当の幸せとは何か」をも問い直すことだと思うのです。 エルサは『2』で自身の出自もおおむね判明し、第5の精霊である自身が「架け橋」的な役割をも果たし、さらにはアナのことをいい意味で気にすることなく自身の選択ができるようになっています。これからはしがらみがないまま、「自分のために生きていい」フェーズに入っているともいえるでしょう。 その意味で、エルサはこれからも、自分の「氷の力」が生かせる場所、あるいは同じような資質を持つ仲間を見つける旅に出るのかもしれません。コンセプトアートに描かれた空に浮かぶ城は「その場所」の可能性もあります。 または、最終的にエルサが「ノーサルドラ」に戻り、そこがやはり自分の居場所だったと改めて気付く、という展開もあり得るでしょう。そこで見つけるのはやはり、彼女の「生きる道」というよりも「幸福」だと思うのです。