メキシコ代表から“海外組”が減少している 選手の中からは危機感も「メキシコの選手たちは外に出ることを恐れている」
国内リーグの待遇改善がもたらすもの
1994年のワールドカップ・アメリカ大会より、7大会続けてベスト16に入っていたメキシコ代表。しかし、その流れが2022年のカタール大会で途切れてしまった。 メキシコが北中米を代表する実力国であることは変わりないが、国内には危機感を抱いている者もいる。その1人がギリシャのAEKアテネでプレイするメキシコ代表MFオルベリン・ピネダだ。 27歳のピネダはギリシャでプレイしているが、最近のメキシコ代表は海外組が思うように増えていない。今月はCONCACAFネーションズリーグを戦っているが、招集メンバーのうち14名は国内のリーガMXから選ばれている。 オランダ・フェイエノールトで得点を量産するFWサンティアゴ・ヒメネス、同じくオランダ・PSVでプレイするFWイルビング・ロサーノ、イングランド・ウェストハムのMFエドソン・アルバレスなど欧州主要リーグでプレイする者も数名いるが、それでも少々物足りない。 スペイン『as』によると、ピネダは自国のリーガMXの待遇が良くなったこともあり、海外へ出ようとする選手が減ってしまったと問題点を指摘する。 「選手たちは海外でプレイするように動くべきだ。しかしメキシコのリーグは改善されていて、そこに留まりがちだ。それは停滞を招く。メキシコの選手たちは外に出ることを恐れている」 同じ北中米では、アメリカ代表が急速に欧州組を増やしている。ユヴェントスMFウェストン・マッケニー、FWティモシー・ウェア、ミランFWクリスティアン・プリシッチ、MFユヌス・ムサ、モナコFWフォラリン・バログンなど、5大リーグのトップクラブでプレイしている者も目立つ。 アメリカはMLSの強化にも動いているが、基本は若い選手を欧州へ送り出すのが代表チームの強化策となっている。アメリカが今月のネーションズリーグへ招集したメンバーのうち、MLSから選ばれたのは2人だけだ。 2026年のワールドカップ北中米大会はカナダ、アメリカ、メキシコとの3国共同開催となっていて、アメリカとメキシコの強化策は対照的とも言える。アメリカは代表強化へ欧州組増加を目標の1つとしているが、メキシコの現状は代表強化へ繋がっているのか。
構成/ザ・ワールド編集部