涙ぐむ小澤征爾さん 30年の思いこみあげ…縁ある中学校でも別れ惜しむ 生徒に「音楽たのしんでね」
長野放送
2月6日に亡くなった小澤征爾さん。演奏会などで交流があった長野県山ノ内町の中学校には小澤さんとの思い出が詰まった教室があり生徒たちも別れを惜しんでいます。 生徒の前でタクトを振る小澤征爾さんの写真。「音楽たのしんでね」などと書かれたサインも。 ここは山ノ内中学校にある「OZAWA ROOM」です。 3年生・養田もえさん: 「(この部屋で)私の生まれる前の小澤先生の姿を見ることができるし、会ったことはないけど小澤さんに会ったような気持ちになります」 1986年から夏の志賀高原で若手演奏家を指導してきた小澤さん。成果を披露する場として毎年、山ノ内中学校で「小澤コンサート」と題した演奏会を開いてきました。 2015年、体調を崩した小澤さんはこの年はタクトを振れませんでしたが、30年目を記念した交流会が開かれ、生徒たちが歌を披露しました。 30年間の思いがこみ上げた小澤さんはー。 小澤征爾さん(当時): 「(30年前に)ここで歌った人が(今も町で)僕にあいさつしてくれるの。そういうのが何人かいて僕はめちゃうれしかった。…音楽やっているとね、そういうことがうれしいんですよね。つながったってことが」 小澤さんとの思い出を残したいと2015年に生徒たちは空き教室を改装して「OZAWA ROOM」をつくりました。 小澤征爾さん(当時): 「すごいよね、これは。僕にとって宝物ですね」 小澤さんが学校を訪れたのは2017年が最後となりました。 しかし、その後も毎年、直筆のメッセージや動画が届けられました。 3年生の小松結理さん。 3年生・小松結理さん: 「1回でもいいから実際に生で小澤さんがタクトを振っているシーンを見たかった」 「小澤コンサート」は現在も続き、小松さんは去年7月にプロのオーケストラを前に指揮を経験しました。 3年生・小松結理さん: 「関わりがあったことを忘れないで、これからも音楽と親しく触れあいながら、小澤さんから学べることや学んだことを生かして生活したい」 山ノ内中学校では、これからも小澤さんの教え子たちとコンサートを通じた交流を続けることにしています。
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