【ブエルタ・ア・エスパーニャ2024 レースレポート:第12ステージ】カストリーリョが前夜他界のチーム創設者に捧げる初勝利
そんなコースプロフィールに刺激を受けたアタッカーたちは、序盤からすぐに逃げを狙って激しい戦いを繰り広げた。起伏のある地形にもかかわらず最初の1時間で42.1kmを走破し、10人のライダーが先行する。
マルク・ソレル(UAEチームエミレーツ)、ジョナタン・ナルバエス、オスカル・ロドリゲス(イネオス・グレナディアーズ)、マウリ・ファンセヴェナント(ティーレックス・クイックステップ)、カルロス・ベローナ(リドル・トレック)、マウロ・シュミット(ジェイコ・アルウラー)、ルイス・メインチェス(アンテルマルシェ・ワンティ)、マックス・プール(dsmフィルメニッヒ・ポストNL)、ハロルド・ロペス(アスタナカザクスタン)、そしてカストリーリョだ。
このうちソレル、ロドリゲス、カストリーリョの3人は、エキポケルンファルマの生みの親でもあるアスコナ氏が見出した選手だ。この日のスタート前には前日に他界したアスコナ氏に向けて黙祷が捧げられた。それだけにどうしても勝ちたいという強い意志があった。
10選手の逃げに対して、マイヨ・ロホのオコーナーを擁するデカトロン・AG2Rラモンディアル勢が集団を牽引してコントロール。86km地点でその差は10分12秒にまで広がった。メイン集団のペースは最後の上りに向かって徐々に上がっていくが、10人のアタッカーは依然として7分15秒の差をキープ。この時点でステージ勝利は第1集団のものになった。
残り14kmでソレルが攻撃を仕掛けた。しかしライバルたちが反撃。ベローナが反撃するが、それも十分ではない。そしてカストリーリョが残り10kmでスパート。決定的な差を広げた。最後の1kmで振り返ってみたのは、執拗に追いつこうするプールを抑え、アスコナ氏のために空を指差して勝利を捧げる余裕があるかかどうかだった。
カストリーリョは最終的にライバルに差をつけて初優勝。プールが2位。同じくアスコナ氏の弟子であるソレルが3位になった。
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