外国人観光客でにぎわう東京の浅草。インバウンド需要で大人気なのが案内をしながら思い出作りも担ってくれる浅草名物、人力車です。 最近では女性の俥夫も多く見られますが、実は今、一部の外国人から寄せられるコメントが物議を醸しています。 発端となった動画を見ると、かなり体格のいい男性を乗せた人力車を女性の俥夫が引く姿が映っている。 これは浅草や俥夫の魅力を紹介するためにSNSで発信された動画で、この人力車を引く女性の姿には、「彼女たちは素晴らしい!」など好意的な声が多くある一方、「かわいそうな女の子」「彼女を殺す気か?」「虐待として訴えるべきだ」というように一部の外国人から批判的な声が寄せられました。 女性俥夫を心配する声とも捉えることはできるんですが、現場はどう思っているのか。 浅草を中心に人力車を展開する東京力車の西尾社長に話を聞きました。 青井実キャスター: 俥夫の方は何人くらい? 東京力車・西尾竜太社長: 弊社ですと100人くらい。その中の30人くらいが女性です。 青井実キャスター: 外国の方が女性が（人力車を）引いてて「ちょっと心配」だよと話題に。 東京力車・西尾竜太社長: SNSで発信していると、“奴隷のような仕事をなぜさせるんだ”というのはくるし、“男性じゃなく女性にさせる理由は何なんだ”とか色々ある。 当の女性俥夫はどう思っているのでしょうか。実際に物議を醸した動画で人力車を引いていた2024年5月にデビューした河合美波さん（20）。 多い時は1日10組のお客さんを乗せるといいますが、河合さんに「俥夫の仕事大変ですか」と聞くと、「大変な時もあります」と話しました。 青井実キャスター: 半年やってみてきつかったことは? 東京力車・河合美波さん: きつかったなっていうのはやっぱり夏。本当に10分でも全身から汗だらだらでうわーみたいになる。（Q.体力的には大丈夫?）体力的には大丈夫です。 夏は特に日焼けをして真っ黒になったりと女性として悩みもあって大変な時もあるといいます。 それでも俥夫をやりたい理由を河合さんは「自分が憧れていたこの人力車で、やっぱり好きなので頑張りたいなって。結構心配されるんですけど全然大丈夫です」と話しました。 一方、批判の声があることを外国人の観光客はどう感じているのか。 イタリアからの観光客: 彼女が選んでやってるならいいのでは? インドネシアからの観光客: 最初は不安だったけど、だんだん楽しくなってきた。 人力車会社の社長、女性俥夫への海外からの批判にどう対応していくのでしょうか。 東京力車・西尾竜太社長: 多分何をやってもどの状態でも誹謗中傷はくるので、やりたいことをやらせてあげられる環境をつくればいいと常に考えている。 最高で月に130万円以上稼ぐという人力車の俥夫。 従業員が充実感を持って働いていることを理解して、人力車を楽しんでほしいということでした。