水上恒司さん「初めは全てひとりでやろうと思っていた」改名・独立から1年、今思うこと|CLASSY.
周りの方を幸せにしつつ、自分も豊かになっていくことが理想
―― 作品への出演が増えるにつれ、周囲からの反響も大きくなっていると思います。周りからの評価には、どう向き合っていますか? 世の中の意見に関しては、あまり見ないようにしているところがあります。どこか自分の意思とは逆になるような気がするんですよね。評価してほしいと思うときこそ、評価されなかったり、評価されないだろうなって思ったら、意外と評価されたとか。自分でプロデュースするようになってからは、マネジメントの立場でバズる、バズらないみたいなことも考えるようになりましたけど、それだけのために仕事するのは自分的に違うかなと。 ―― 自分自身と向き合うことが第一でしょうか? そうですね。自分と、あとは自分の周りにいる仲間ですね。「このときよかったよね」「おもしろい芝居してたよね」と仲間が言ってくれたら、僕自身も嬉しいです。この仕事を一緒にできてよかったなと思うから。似たところで現場のスタッフの方々に「よい芝居を見れた」と思ってもらうことも大事ですし、そうやって周りの方を幸せにしつつ、自分も豊かになっていく。それが結果的によい評価につながることが理想だなと思います。
毎作品出てくる反省点と向き合っています
―― 仕事で悩んだり、落ち込むことはありますか? たくさんあります。これが読者の方の励みになるとは思わないけど、僕も結構悩みます!(笑)。ただ悩みというより、反省に近いですかね。今回の映画“あの花”でもそうでしたし、反省点がない作品は今までにないんじゃないかな…。撮影の場では自分のベストを尽くすんですけど、あとから振り返ったときにいろいろと出てくるというか。反省点がないならないで、何かが止まっているんじゃないかなとも思います。 ―― ご自身の反省点とどのように向き合いますか? 自分が手を抜いたことが原因ならどん底くらいまで落ち込むんですけど、全力を尽くした上でダメなら、じっくり時間をかけて何がいけなかったのかを振り返ります。どうしたらこういうテクニックが身についただろうとか、ここはこうしたらよかったなとか。次に向けてできることを考えますね。 <PROFILE> ■水上恒司 1999年5月12日生まれ、福岡県出身。ドラマ『中学聖日記』(18年)で俳優デビュー。近年の主な出演作は映画『死刑にいたる病』(22年)、ドラマ『真夏のシンデレラ』、映画『OUT』(ともに23年)など。放送中のNHK連続テレビ小説『ブギウギ』に村山愛助役で出演。24年2月2日には映画『熱のあとに』の公開を控える。 ■映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』 12月8日(金)より全国公開中 目が覚めると、そこは1945年の日本。初めて愛した人は、特攻隊員でしたー。 親や学校、すべてにイライラして不満ばかりの高校生の百合(福原遥)。ある日、進路をめぐって母親の幸恵(中嶋朋子)と喧嘩をして家出をし、近所の防空壕跡に逃げ込むが、朝目が覚めるとそこは1945年の6月…戦時中の日本だった。 偶然通りかかった彰(水上恒司)に助けられ、軍の指定食堂に連れていかれる百合。そこで女将のツル(松坂慶子)や勤労学生の千代(出口夏希)、彰と同じ隊の石丸(伊藤健太郎)、板倉(嶋﨑斗亜)、寺岡(上川周作)、加藤(小野塚勇人)たちと出会い、日々を過ごす中で、彰に何度も助けられ、その誠実さや優しさにどんどん惹かれていく百合。だが彰は特攻隊員で、程なく命がけで戦地に飛ぶ運命だったー。(松竹配給/©2023「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」製作委員会) 撮影/木村 敦 ヘアメーク/Kohey スタイリング/カワサキタカフミ 取材・文/所 優里 編集/平賀鈴菜(CLASSY.ONLINE編集室)