郵便料金高騰ではがきは63→85円…一流の人は「年賀状じまい」を決定しても"あと1年"は送るワケ
■「年賀状じまい」で悩む人はなぜ悩むのか 近年、私のもとには「当たり障りのない方法で『年賀状じまい』をしたい」という相談が多く寄せられています。企業ではペーパーレスの推進や郵便料金の高騰を受けて、個人間ではチャットツールの普及などで、年賀状じまいを選択する人が増えています。 【写真】マナーコンサルタントの西出ひろ子氏 そうしたなか、年賀状じまいをすることで、「人間関係に亀裂が入る」と懸念されている人が一定数いるようです。 たしかに法人に対する年賀状じまいであれば、会社の方針を理由に躊躇なく実行できますが、個人間の場合は連絡を絶つことで「相手を不快にさせないか」と良心の呵責が生まれるものです。 しかしそれは、気にしすぎといえます。たとえば、これまで年賀状でしか連絡を取ってこなかった程度の間柄であれば、年賀状じまいをしたことでとやかく言ってこないでしょうし、もしあなたが年賀状じまいをされる側の立場でも、不快にまではならないでしょう。 事前に手続きや断りさえ入れれば、時代の流れを考慮して、大半の相手は申し出を理解してくれます。ただし、事前の連絡もせずにいきなり年賀状じまいをすると、なかには心配する人もいます。相手に「喪中かもしれない」と気を遣わせたり、「体調が悪いのでは」と心配をかけたりしてしまうので、事前の連絡ができる場合は、それを行うとよいでしょう。 具体的なメッセージとしては、年賀状を送る際に「私も高齢になってきたため」などの理由を伝え、「来年からは年賀状を失礼させていただきます」という告知と、「○○さんのご健康とご多幸をこれからも祈念しております」のような相手を慮(おもんぱか)る一文を添えます。もしくは下半期や年末あたりに、事前に同様のメッセージを電話や手紙で伝えれば、相手も安心します。 年賀状を送る習慣が色濃く残っている年配者に対しては、年賀状じまいをしないほうがよいと先入観を持たれている人もいるようです。もし、気になるようでしたら、そういう方には送り続ければよいでしょう。年賀状じまいが会社の方針ではなく、個人の問題であるならば、実際に年賀状じまいをするかどうかに決まりはありません。