大谷翔平の成功でメジャー二刀流解禁の流れ?!
ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平は、メジャー挑戦の初年度にベーブ・ルース以来の二刀流選手として成功、全米に衝撃を与えた。レギュラーバッターの約半数の打席機会(367打席)で22本塁打を放ち、投手として先発10回で4勝マーク。防御率は3.31で51回2/3を投げ63三振を奪い、エンゼルスでは2012年のマイク・トラウト以来となる新人王に選ばれた。 その衝撃はメジャーのトレンドにさえ影響を与えた。 地元紙のオレンジ・カウンティレジスターは、この日、「大谷がパイオニアスターになる」との見出しを取った記事の中で、大谷の今季軌跡を伝えると共に「大谷はメジャーリーガーが、投手か打者どちらかでなければならないという取りつかれた観念を緩ませ、このスポーツの世界をそっと動かして見せた。大谷が成功を収めて以来、エンゼルスや他のチームは他の選手を二刀流選手として試みることに、より寛容になっている」と、メジャーで二刀流解禁の動きが広まっていることを明らかにした。 記事は、まず大谷の今季の成功の過程を「日本でスター街道を駆け上がり始めて以来、大谷に関する疑問は年々大きくなっていた。太平洋の向こう側で、珍しい二刀流の天才だった一方で、野球界は、メジャーリーグで本当に成功できるのか、怪しんでいた。大谷がエンゼルスを選び、大リーグのキャリアを始めてちょうど1年が過ぎ、今では心配なく(成功に)イエスの回答を鳴り響かせることができる」と紹介。 エンゼルスのブラッド・オースマス新監督の「彼は特別な選手。もし投手だけであれば、彼は特別な投手。打者だけであっても、特別な打者。今、彼は両方(の才能を)持っている」とのコメントを掲載した。 また日ハム時代から大谷を長年調査し、エンゼルス入団説得の交渉人となったビリー・エプラーGMも、「マウンドと打席で彼を見ることは、かつて自分がメジャーレベルで全く見たことのないものだった。とても特別なことだった。それを見られたことはうれしい」とコメントしている。 来季以降の展望に関しては「大谷、エンゼルス、そして野球ファンにとって残念だったのは、彼の右ひじが100マイル(約161キロ)の速球を投げる負担に耐えられなくなったことだった。彼は故障に悩まされ、1シーズンを通して投げることを許されなかった。シーズン終了後に手術を受け、彼は2020年まで投げない。2019年はまだエンゼルスの打者でいることになる」と記した。 大谷の衝撃を報じた上で、メジャーの中で二刀流への取り組みが始まっていることに触れた。 エンゼルスは6月にデトロイトの高校生のウィリアム・イングリッシュをドラフト指名し、二刀流選手としてマイナーリーグでプレーさせることを発表、9月にはマイナーでプレーしていた打者のジャレット・ウォルシュとボー・ウェイの2人に投手を経験させるため、アリゾナの秋の教育リーグに送った。 また今月、マリナーズがエンゼルスで内野手だったケイレブ・カワートを獲得し、投手としてもプレーさせること発表している。カワートはメジャーでは打者として苦戦したが、強肩が自慢。同記事は「いずれの選手も、投手、打者として大リーグで成功する見込みはまだ先の話だが、大谷は彼らにかすかな希望の光を与えた」と評価した。