デブリ取り出し中断 福島第1原発2号機 準備作業で初歩的ミス 東電謝罪、再開は未定
■小早川社長「安全に進めることが必要」 再稼働を目指す柏崎刈羽原発が立地する新潟県柏崎市を訪れていた東電の小早川智明社長は取材に、現地から報告を受けたとし「焦って進めるより安全、着実に進めることが必要だ」と述べた。 ■福島県非難「管理に問題」 原因究明、再発防止求める 福島第1原発2号機からのデブリ取り出しに向けた準備作業の中断を受け、福島県は22日夕、東電幹部を県庁に緊急招集した。伊藤繁県危機管理部政策監は「人為的かつ初歩的なミス」と非難し、原因究明と再発防止策の確実な実施などを申し入れた。 伊藤政策監は昨年10月以降に原発構内でトラブルが絶えない点に触れ、「作業管理の部分に問題があるのではないか」と主張した。デブリ採取は社会的に注目度が高いとして「県民は取り出しが進むことに大きな期待を寄せている。一つ間違いが起こると大きな影響が及びかねない。二度とこうしたことが起こらないように徹底してもらいたい」とくぎを刺した。
東電の高松樹執行役員は「反論の余地もない。本日はお騒がせ、ご心配をおかけし申し訳ありませんでした」と頭を下げた。終了後、報道陣の取材に「最初の段階でつまずいたことは、私見ではちょっと情けない」と漏らした。 原子力安全工学が専門の元県原子力対策監の角山茂章氏(元会津大学長)は「考えにくい単純な作業ミス」と指摘。重大な事案につながる恐れがあったことを示唆し「廃炉作業の細部まで理解した上で進めるべきだ」と訴えた。