メジャーリーグ “低レベル”な本塁打タイトル争いの背景
■注目される復帰後のAロッドの実力 来シーズンには211試合の出場停止処分を受けたヤンキースのアレックス・ロドリゲス内野手も処分が解けて戦列に戻る。クリーンになったAロッドが果たしてどれほど活躍できるのか、チームメイトやファンにどう受け入れられるのか。処分後の再出発にもどこか釈然としない思いは残る。 更には、本塁打の減少に伴ってチーム得点数も減少している。1試合毎の得点は2000年では5.14だったのが、今年は14日時点で4.09とこちらも1981年以来のロースコアぶりだ。対照的に投手の防御率は1990年以降では、2000年にピークの4.77だったのが、今年は3・75と1992年に並んでおり、顕著な高投低打現象がみてとれる。この理由について、前述のファレル監督は「本塁打だけでなくチーム得点数も減少傾向にあるのは、シフト守備などを各球団が行うようになってきたからではないか」と付け加えた。 最近のメジャーは、打者の打球方向のデータを洗って極端に内野手を一方に寄せた守備隊形を敷くシフト守備が各球団で一般化したが、そういう戦略の浸透も得点を抑えこむことにつながっている。ステロイド時代の終焉と、シフト守備の拡大。メジャーリーグは打者受難の時代を迎えていると言えそうだ。