イルカも遊び相手に「友好的な笑顔」 研究
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【10月5日 AFP】バンドウイルカは遊び相手に敵意がないことを示すために、友好的な表情をつくるとする研究結果が今月2日、学術誌「アイサイエンス(iScience)」に発表された。 AFPの取材に応じた伊ピサ大学(University of Pisa)の進化生物学者エリザベッタ・パラジ(Elisabetta Palagi)氏のチームは、イルカの遊び行動を観察中にイルカたちが互いに口を開けてから遊び始めることに気づいた。かみつくのとは異なったという。 遊びたい時に口を開けるジェスチャーは、霊長類やクマなどさまざまな動物で観察されているが、イルカについては不明だった。 パラジ氏のチームはこの行動について確認するため、数百回の遊び行動を数か月かけて観察した。その結果、イルカは他のイルカと遊ぶ時、頻繁に歯を見せて笑うことが明らかになった。一方、人間との遊びではこうした表情はたまに見せる程度で、一匹でいる時はほぼ見せなかった。 人間では、誰かがほほ笑んだり笑ったりすると、その相手に対して好意的な感情を持っている人は1秒以内にそのしぐさを返すことが多い。この反応は、意識的にコントロールできる領域の外にあり、真の感情共有を示すサインと理解されている。 パラジ氏は「同じことが類人猿やサルといった霊長類の他、ハイエナ、ミーアキャット、犬など、社会性のある肉食動物でも見られる」と説明。「イルカも同じことをするのが分かった」と述べた。 映像は2日提供。(c)AFPBB News