放置される「墓」が増加 管理費の滞納は総額4億4800万円 無縁墓を生まないためには
メ~テレ(名古屋テレビ)
親族などから引継ぎがされず、放置されている墓が各地で増えています。東海地方でも、墓を管理する自治体などが対応に困っています。 「母親の四十九日を終えて納骨に来ました。私たちがちょっと遠く、住居が名古屋市内ではないので、この先この墓をどうやって守っていくかは今後の課題ではあります」(60代) 「ここは主人と私だけが入る永代供養のお墓。個人のお墓です。一代限りの。子どもたちは子どもたちで考えてくださいって」(80代) 誰しもが遅かれ早かれ直面するであろう、自分、そして家族の墓の問題。 最近、増えているのが管理する人がいない状態の墓、いわゆる無縁墓です。 去年、国は公営墓地を持つ全国765市町村のうち、58.2%で無縁墓があると発表しました。 また、墓地の共用部分を整備するのに必要な管理費の滞納は、238市町村で発生し、総額4億4800万円にも上るといいます。
約1500区画が無縁墓
公営墓地がある愛知県半田市を訪ねました。 「こちらが半田市で一番区画が多い北部墓地になります」(半田市役所環境課 森下直孝 副主幹) 職員に案内してもらうと、さっそく―― 「看板が立っているところが使用者が分からない。看板を立てて来た方に見ていただき、市に連絡を促すもの」(森下副主幹) 無縁墓です。定期的に家族や親族などがお参りする他の墓と見比べると、雑草などが生い茂り、長い間放置されていることが分かります。 半田市は、立て看板や置き手紙で所有者に呼びかけていますが、今でも市全体で1500区画ほどが無縁墓だといいます。
墓の申請書類を変更
そこで、6年前から墓の申請書類を変更しました。 「申し込んでもらう時に、使用者に書いてもらうが、それ以外にその方の親族など連絡させてもらえる方を記入してもらう。今まではここの欄がなかったので、名義になった方が亡くなったら連絡が取れなくなってしまう状況だった」(森下副主幹) さらに、今年度から始めたのが、市営墓地の使用者を対象にした管理料の徴収です。 「墓地の樹木の剪定や雑草処理、ゴミの収集、運搬、水道使用料とか共用部分になるので、お墓を使っていない人の税金も使いながら維持管理を進めてきたが、受益者負担で利用している人に支払ってもらうのが本来の形ではないかと」(森下副主幹) ただ、行政などに頼るだけでなく、一人一人が責任をもって墓について考えておくことが大事です。