国内半導体関連株インデックスファンド、三菱UFJアセットマネジメントが公募投信とETFで新規設定
7月4日の国内株式市場は、TOPIX(東証株価指数)が1989年12月18日の2884.80ポイント(終値)を約34年半年ぶりに更新し、2898.47ポイントと史上最高値になった。日経平均株価も続伸し、4万913円65銭と前日に続いて史上最高値を更新している。米国でS&P500やNASDAQ総合指数が先行して史上最高値を更新し続けているが、日本も日経平均株価が今年3月22日に付けた最高値を3カ月半ぶりに更新し、新しいステージに入ったことを感じさせる動きだ。この動きの中、三菱UFJアセットマネジメントは、日本の半導体産業に投資する新しい公募投信とETFを新規に設定する。7月2日にはメディア向けに説明会を開催し、その設定の意図を説明した。
現状の日本株市場について、三菱UFJアセットマネジメント戦略運用部チーフファンドマネジャーである石金淳氏は、「株価は34年前と同じ高値水準になっているとはいえ、日本企業の収益力は大きな違いがある。現在の株価は企業業績の裏付けがあるといえ、34年前のバブルとは異なる」と強調した。その企業業績は、1989年1-3月期の企業統計で経常利益が10兆円だったところ、2024年1-3月期には同28兆円と2.8倍も拡大している。「利益が2.8倍になったにもかかわらず、株価は同じ水準にある」と、依然として日本株に対して見直し余地が大きいと指摘した。しかも、企業業績の中身についても「1989年当時は、営業利益がプラスだったものの営業外利益はマイナスだったが、現在は営業外利益が営業利益の1.3倍相当になっている。企業は利益を得る方法を複線化することに成功しており、収益の安定化につながる」とした。
そして、東証の要請などを受け、上場企業はPBR(株価純資産倍率)1倍以下からの脱却など株価を意識した取り組みを強化し、それに伴う株主還元の強化などを海外投資家が評価するという動きも続いている。加えて、石金氏は「日本企業が海外への直接投資を増やしている」ということも評価する。米欧やアジアなどに拠点を設け、国内だけでなく海外の市場で収益を上げられるビジネスモデルを作ってきた。「一般的に日本の経済成長率は欧米やアジアの国々に対して低く抑えられた見通しになっているが、国内企業はその比較的高い経済成長が期待される海外の市場において収益を稼ぎ出すことが可能になっている」と、バブル崩壊以降に行われてきた国内企業の様々な取り組みによって、強固な収益体質を持つようになっていると国内企業を評価した。