「バットを振れない」小学生をどう指導? 豪快でも安全…ストレス除く“丸い紙”
幼少時から取り組むことで「自然に体が動くようになります」
「打って打って打ちまくれ!」を掲げるドリームスでは、エンドランのように当てて転がして走者を進める作戦はとらない。「バットを振る、打つことに対して、変なストレスを与えたくない」(岡監督)からだ。失敗を恐れず、積極的に振る意識づけは、子どもたちの今後の野球人生につながる。チームスローガンの真意はそこにあり、その象徴が、この“紙ボールティー”だ。 「幼少期からこの練習をしていると、バットを振ることに対して何のプレッシャーもなく、自然に体が動くようになります。ちょっとしたスペースでできるので、試合前のウオームアップにも使えますよ」 紙ボールを“軍手ボール”にしてみたり、打者ではなく投げ手のタイミングで打たせたり、バリエーションもつけられる。安全面に配慮しつつ、積極的にバットを振れるこの練習に他のチームも注目。「全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント」の昨年覇者・新家スターズら大阪の強豪勢も、ドリームスのアイデアから取り入れているそうだ。 とはいえ、いくら安全でも至近距離にいる投げ手の大人は要注意。直撃すると、さすがに痛いそうだ。ドリームスの保護者たちは、防球ネット代わりに折りたたみ椅子を使うことを考案した。ユニークな発想は、常にグラウンドから生まれている。
高橋幸司 / Koji Takahashi