高配当株は「儲かる」「やめとけ」…いったいどっちが正解? これから始める人が絶対に知っておくべき「リスク」と実際の「パフォーマンス」【資産1億円超えの兼業投資家が解説】
高配当株をコツコツ購入し、憧れの「配当金生活」を目指したいと夢を膨らませる人は少なくありません。しかし、「高配当株投資のリスクは?」「本当に儲かる投資手法なのか?」といった根本的なことを理解しないまま手を出すのはおすすめできません。本記事では、『月41万円の“不労所得”をもらう億リーマンが教える 「爆配当」株投資』(KADOKAWA)から、著者の〈なのなの氏〉がデータを用いて高配当株のリスクやパフォーマンスについて詳しく解説します。 都道府県「遺産相続事件率」ランキング…10万世帯当たり事件件数<司法統計年報家事事件編(令和3年度)>
高配当株=「低リスク」は本当? ファクトを見てみよう
一般的に、高配当株はその他の株に比べて株価が安定していると言われています。高配当株の株価安定性について、ベータ値から確認していきたいと思います。 ベータ値は、個別企業の株価が市場全体の動きに対して、どの程度敏感に反応するかを表す数値です。 例えば、A社の対TOPIX(※)ベータ値が2.0ということは、 TOPIXが10%上昇↓A社の株価は20%上昇 (2)TOPIXが20%下落↓A社の株価は40%下落 のように、TOPIXに対してA社株価は2倍の大きさで連動することを示しています。 (※)東京証券取引所上場銘柄を対象として算出される株価指数 ベータ値の高い銘柄は相場連動性が高く値動きも激しくなりがちですが、ベータ値の低い銘柄は相場連動性が低く値動きはそれほど大きくありません。 下の[図表1]は、2023年6月時点における、配当利回りごとの対TOPIXベータ値平均を示すグラフです(対象:東京証券取引所に上場する時価総額100億円以上の銘柄。データはSBI証券のスクリーニングから取得)。 銘柄全体の対TOPIXベータ値平均は0.88ですが(単純平均であるため1.0とはなっていません)、配当利回り4.0%以上の対TOPIXベータ値平均は0.78と全体に比べて0.1小さい数値となっています。 これは、TOPIXが10%下落するとき、個別の銘柄は全体として平均8.8%下落するのに対して、配当利回り4.0%以上の銘柄は平均7.8%の下落に抑えられる、ということを示しています。 ちなみにですが、配当利回りが0%である無配当銘柄の対TOPIXベータ値平均は1.071)東京証券取引所上場銘柄を対象として算出される株価指数。と全体に比べて0.19大きく、配当利回りが低い銘柄ほど、全体の動きに対する感応度(※)が大きく、ハイリスクの傾向にあることがわかります。 (※)物事に対して動く度合いのこと。 このように対TOPIXベータ値平均を比較した結果からも、高配当株は配当利回りの低い銘柄よりも比較的リスクは低く、安定性を求める人にも適した投資手法と言うことができます。