パリ五輪男女代表各12人決定 帰ってきた〝アニキ〟女子・中村知春「世界の強豪入りへの新たな1ページとなるよう…」/7人制
日本ラグビー協会は4日、パリ五輪の7人制日本代表の男女各12人を発表した。男女を通じて最年長、女子の中村知春(36)=ナナイロプリズム福岡=は2016年リオデジャネイロ五輪以来、2大会ぶりの〝返り咲き〟。躍進著しい女子は、メダル獲得も現実的な目標。酸いも甘いもかみわけた〝アニキ〟こと中村が、日本に上昇気流をもたらす。 合宿中の札幌市内で、中村は2大会ぶりの五輪での躍動を誓った。 「少し短い3年間での五輪準備でしたが、ともに戦ってきたメンバー全員にリスペクトと感謝の気持ちを持って大会に臨みたい」 五輪には悔しい思い出しかない。7人制が初採用された16年リオ大会では主将で出場。1勝して12チーム中10位だった。21年に延期された東京大会は、直前に落選。食事もとれないほどのショックだったという。選手生活にひと区切りつける思いでいたが、チームが全敗に終わったのを見て、「ほうっておけない」とコーチ兼任で現役復帰したのが五輪直後だった。 20歳の西亜利沙、水谷咲良(ともに東京山九)との年齢差は16。豊富な経験で培われたリーダーシップと、常に成長を怠らないマインドで、後輩たちは尊敬の意味をこめて「アニキ」と呼ぶ。重要なSHとして、昨年1月のワールドシリーズ・ニュージーランド大会で史上最高の6位に入れたのも、中村の存在あってこそだ。 「個人としては桜の物語の最終章に、サクラセブンズとしては世界の強豪入りへの新たな1ページとなるよう、結果にこだわって大切に戦う」 集大成とする覚悟は、だれよりも強い。(田中浩)