廃墟となった公共施設、土地が“宝の山”!? 秘密基地、プライベートキャンプ場に…フリマサイトで需要アリ 自治体の新たな注目策
廃墟同然となった公共の施設や使われなくなった土地といった「遊休不動産」について、具体的な活用策が見つからず維持管理費だけがかさみ、多くの自治体で課題となっています。こうした中、新たな解決策として注目されているのが、不動産会社が扱いにくい物件を専門とするフリマサイトです。 【写真を見る】廃墟となった公共施設、土地が“宝の山”!? 秘密基地、プライベートキャンプ場に…フリマサイトで需要アリ 自治体の新たな注目策 ■公有不動産の実情 大分県中津市では、未利用の保養所や、消防団の集約で使われなくなった詰所など、市が抱える多くの不動産があります。このため、財政課では長年、こうした「遊休不動産」に頭を悩ませてきました。 中津市財政課 梶谷秋佳課長: 「年々維持管理費だけが増加している一方で、財源にも限りがあります。そのため、利活用可能なものと、そうではないものに分けた上で、可能なものは売却を進めていくのも一つのやり方と考えています」 現在、中津市が抱えている「遊休不動産」は70件。市は2022年から「公共不動産MAP」というサイトで一般向けに情報を公開してきましたが、利活用は進んでいないのが現状です。 ■不動産版マッチングサイトで1円物件も こうした中、中津市は新たな試みとして今年7月、東京の不動産会社KLCと連携協定を締結。KLCは「不動産会社でも手を出せない不動産」を専門とする企業です。 KLC 小林弘典社長: 「不動産の一般的な常識で、絶対売れないだろうと思われていた土地や建物でも買い手を見つけられるのが一番の特徴です」 KLCが運営する「フィールドマッチング」は、不動産版のフリマサイト。売り手が価格を設定し掲載する仕組みで、中には1円という物件も。約35%は掲載から1年以内に売却されているといいます。 KLC 小林弘典社長: 「買い手のニーズは本当に十人十色です。例えば、木を自分で伐採して秘密基地にしたり、自分用のキャンプ場にしたりと、自分の趣味目的が多いです」 ■眠っていた資産が新たな財産に? (井口記者)「こちらは売却が検討されている耶馬渓町の保養所跡地です。建物自体はかなり古くなっていますが、目の前には絶景が広がっています」