日本がけん引、アクティビスト投資家のキャンペーンが過去最高を記録
(ブルームバーグ): アクティビスト(物言う株主)による新たなキャンペーンは今年1-6月(上期)に、過去最高水準に達した。
ラザードのリポートによると、アクティビストによる新規キャンペーン件数は上期に世界で147件と、2023年同期の138件から7%増加。5年平均を29%上回った。
活動の増加は主にアジア太平洋地域に集中しており、北米と欧州は昨年とほぼ同じペースだった。アジア太平洋地域の新規キャンペーンは25件から43件へと65%急増し、そのうち28件を日本が占めた。
最近の事例では、エリオット・インベストメント・マネジメントが住友商事とソフトバンクグループへの大規模な出資を行ったほか、オアシス・キャピタルが先週、日本のドラッグストアチェーン、アインホールディングスのガバナンス(企業統治)の見直しを求めた。
日本でアクティビスト投資ブーム、エリオットの成功に続け
バークレイズは上期のアクティビスト活動に関するリポートで「日本での活動増加は、日本におけるガバナンス改革が効果的であったことを示唆しており、国内外のアクティビストにとって市場の魅力を高めている」と分析している。
テクノロジー、不動産
ラザードによると、米国では62のキャンペーンが実施され、昨年の56から増加した。テクノロジー企業が頻繁にターゲットとなり、全体の26%を占めた。ダイ・アンド・ダラム、マッチ・グループ、ピツニーボウズ、トゥイリオ などのハードウエアおよびソフトウエア企業がアクティビスト2人によって同時に標的にされた。
不動産セクターはアクティビズムが高まったもう一つの分野として浮上した。ランド・アンド・ビルディング・インベストメント・マネジメントは同セクターで今年5つのキャンペーンを実施し「異常に活発」だった。
金融サービスセクターでの動きは鈍く、新たなキャンペーンはなかった。
ラザードによると、複数のアクティビストが同じターゲットを追いかける「スウォーミング」現象は、欧州における一貫した特徴となっている。