ビットコインの需要が急増──多くのテクニカル指標が7万ドル到達を示唆
ビットコイン(BTC)の需要は、5月以降ずっと低調だったが、回復しつつある。先週、顕在需要は明らかに上昇し、月間で17万7000BTCだった。これは5%の上昇に先立つ動きとなった。顕在需要とは、生産と在庫の変化を比較するために使用されるオンチェーンの指標だ。 CoinDesk Indicesのデータによると、ビットコインは前週比11%上昇し、同時期に9.6%上昇した幅広い暗号資産(仮想通貨)の指数であるCoinDesk20指数(CD20)を上回った。 これは4月下旬以来最大で、BTCを10週間ぶりの高値である6万7800ドル超に押し上げる一因となったとジュリオ・モレノ(Julio Moreno)氏率いるCryptoQuantのアナリストらは週次の報告書で述べた。 「ビットコイン価格が持続的に史上最高値に上昇するには、顕在需要の拡大が必要だ。これまでのケースでは、顕在需要は49万~55万BTCでピークに達した」とモレノ氏は述べ、価格上昇の余地がさらにあることを示唆した。 下のグラフは、2020年から2021年、そして2024年にBTC価格が新たな記録高値に上昇する前に、いかにポジティブで増大する需要があったかを示している。 アメリカのビットコイン現物ETF(上場投資信託)は、2024年第1四半期には1日平均でほぼ9000BTCの資金流入があり、ビットコイン価格が新たな高値を更新する原動力となった。 SoSoValueのデータによると、アメリカのビットコイン現物ETFは16日にも4億5850万ドル(約687億7500万円、1ドル=150円換算)の大幅な流入があった。上場商品のうち、ブラックロック(BlackRock)のIBITが3億9340万ドル(約590億1000万円)で最も多かった。 他の大口投資家もビットコインの買い増しを継続している。取引所やマイニングプールを除く、ビットコインのクジラ(影響力のある大口保有者)の総保有残高は、毎年拡大を続けており、67万BTCにまで増加している。さらに、保有高の増加は365日移動平均を上回っており、これは価格にとってポジティブな兆候だ。 ビットコインの建玉(OI)の加重平均資金調達率は、今週初めに数カ月ぶりの高値となる0.0136%超まで急騰した。これは、新たな資金が市場に流入したことで、今後はボラティリティが高まっていることを示唆している。 分散型予測市場ポリマーケット(Polymarket)のベッターは、10月にBTCが7万ドルに達する可能性を64%と見ており、この確率は先週に比べ45ポイント上昇している。また、2024年のうちにBTCが史上最高値を更新する可能性を75%と見ており、同23ポイント上昇している。 暗号資産の他の分野では、16日にイーロン・マスク(Elon Musk)氏がトランプ支持の政治活動委員会(PAC)に7500万ドル(約112億5000万円)を寄付し、X上で政府効率化委員会(Department of Government Efficiency:DOGE)の宣伝を継続していることが明らかになり、犬をテーマにしたメジャーな暗号資産(DOGE)が上昇を維持した。16日のアジア取引時間中に、ドージコインは5.8%上昇し、ソラナをテーマにしたライバルであるボンク(BONK)も9%近く上昇した。 |翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:Shutterstock|原文:Bitcoin Demand Surges in Bullish Catalyst That May Drive BTC Price to $70K
CoinDesk Japan 編集部