【解説】自民党“刷新”今後の焦点 「連座制」の導入は?
■「派閥の解消」まで踏み込めるのか? 問われる岸田首相の手腕
――刷新本部で焦点となっている「連座制」は導入されるのか? 政治部・与党担当キャップ 前野全範 「連座制については、自民党内には慎重論も根強く、秘書がわざと違法行為をして議員を陥れるようなケースを懸念する声が上がっています。いずれにしても、これを導入する場合は政治資金規正法の改正が必要で、国会で与野党で議論することになります」 ――刷新本部は「派閥の解消」まで踏み込めるのか? 政治部・与党担当キャップ 前野全範 「派閥の解消については、複数の自民党幹部が『中間取りまとめでは派閥の解散まで踏み込まず、各派閥に判断を委ねる方向で調整している』と述べています。ただ、新たに派閥の全面撤廃を求める会議が立ち上がるなど、無派閥の議員を中心に派閥の解散を求める声も強いです。ある自民党幹部は、『党としての本気度が問われている。若手議員も30年前と比べるとエネルギーが足りない』ですとか、別の幹部も『派閥から人事と金の機能を奪うだけでは、国民は納得してくれない』と語っていて、岸田首相の手腕が問われる局面になっています」 ――岸田首相は岸田派の解散を打ち出しましたが、党内への影響はあるのか? 政治部・与党担当キャップ 前野全範 「これはあります。岸田首相が麻生副総裁、茂木幹事長に事前の連絡をせずに岸田派の解散を宣言したことの波紋が広がり続けている状況です。岸田政権はこれまで岸田首相、麻生副総裁、茂木幹事長の3人の派閥トップが中心となる『3頭政治』で動かしてきましたが、麻生副総裁と茂木幹事長は連絡がなかったことに強い不快感を示しています。関係者によると、麻生副総裁は周辺に対し『岸田首相の派閥解散は人気取りのポピュリズムだ。今後は同じ気持ちってワケにはいかない』と話しているということで、不満をあらわにしています。刷新本部の議論の着地点によっては、岸田政権自体が一気に不安定化するおそれもある状況です」