新NISAの成長投資枠。個別株投資の銘柄選びってどうすればいいの?
2024年から始まった新NISAでは、口座開設期間が恒久化、非課税での保有期間も無期限となったほか、一つのNISA口座内で「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用が可能です。 年間の投資枠は、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円と、合計で年間最大360万円になり、非課税保有限度額も総枠で1800万円(そのうち成長投資枠は1200万円)に拡充されています。 投資初心者のなかには新NISAの成長投資枠を利用して、これから成長が期待できる有望株で投資をしてみたいと考える方もいるかもしれません。その一方で、たくさんある個別株のなかでもどれがいいか判断するのは難しいと感じる方もいるでしょう。そこで今回は、有望株の簡単な見つけ方を考えていきます。
人気の投資信託で組入比率が高い銘柄をチェック
ここでは、有望株は一度買ったら長く保有することを前提に説明していきます。結論から言ってしまうと、米国株なら人気の投資信託である「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」や、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」に組み入れられている上位の銘柄から選ぶという方法があります。 それぞれの投資信託について、上位10銘柄を確認してみましょう。 図表1 〇eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
※三菱UFJアセットマネジメント 「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 投資信託説明書(交付目論見書)」より筆者作成 図表2 〇eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
※三菱UFJアセットマネジメント 「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 投資信託説明書(交付目論見書)」より筆者作成 いずれの投資信託も一部を除き、ほぼ同じ企業名が並んでいます。聞いたことのない名前もあるかもしれませんが、ほとんどが知っている企業でしょう。 図表1、2は2024年1月31日時点のものですが、上位銘柄のなかでも低迷している中国経済の影響を比較的受けやすい企業は、アップルとテスラではないでしょうか。 アップルは、中国市場におけるスマートフォンの需要の落ち込みが指摘されており、中国で値下げ販売を行ったという報道も記憶に新しいかと思います。 また、テスラについては、最高経営責任者のイーロン・マスク氏の個性が際立っている企業といえますが、こちらも中国のEV(電気自動車)市場の低迷を受け、2023年から何度か値下げ販売を行っています。 一方、今後に期待される人工知能(AI)に関連する銘柄としても名を連ねているのが、マイクロソフトやアマゾン、エヌビディア、メタ・プラットフォームズといったところではないでしょうか。アルファベット(グーグル)もAI事業は展開していますが、基本的には広告企業であるため、これらの銘柄と比べると毛色が異なります。 その他では、ヘルスケア企業のユナイテッドヘルス・グループ、医療・バイオ関連のイーライ・リリー、著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社のバークシャー・ハサウェイが上位銘柄に組み入れられています。 このように見ていくと、主にハイテク系の企業が目立ちますが、ユナイテッドヘルス・グループ、イーライ・リリー、バークシャー・ハサウェイといった業績が景気に左右されにくい、いわゆるディフェンシブ銘柄も含まれていることが分かります。