奨学金の返還を始めた新卒です。今更ですが、借りた金額が多いのか少ないのか判断がつかず不安です…。周りはどのくらい借りているのでしょうか?
学費にあてるお金を低金利で借りられる奨学金ですが、貸与終了後には全額返還しなければなりません。数百万円の奨学金を借りた人のなかには、卒業後に思うような収入を得られず、毎月の返還が大きな負担になっている人もいるのではないでしょうか。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説 また、自分自身の借りた金額が周りと比べて多いのか少ないのか、不安になる方もいらっしゃるでしょう。 本記事では、奨学金を利用した人の平均的な借入額と、返済が難しいときの対処法を紹介します。
借入総額の平均は310万円
労働者福祉中央協議会が2022年9月に実施した「奨学金や教育費負担に関するアンケート報告書」によると、奨学金を利用した人の平均借入額は310万円でした。金額別では「200~300万円未満(25.8%)」が最も多く、その後に「100~200万円未満(19.5%)」と「300~400万円未満(17.0%)」が続いています。 ただし、310万という数字はあくまで平均であり、借入額が多い人の影響を強く受ける点には注意が必要です。 また、毎月の平均返済額は1万5226円です。産労総合研究所の「2023年度 決定初任給調査」によると、新卒の初任給は大卒が21万8324円、高卒が17万9680円ですから、毎月1万5226円の返済は多くの人にとってそれなりの負担となるでしょう。実際、返済の負担感について、「余裕がある」と答えた人の割合は約1割にとどまっています。
240万円の奨学金を返すには約13年かかる
続いて、240万円の奨学金をすべて返済するには、どのくらいの期間が必要なのかを確認してみましょう。奨学金の種類が有利子か無利子かによっても変わりますが、ここでは無利子のケースを想定して考えます。 平均返済額の1万5226円を毎月返し続ける場合、1年で約18万円の返済が可能です。240万円をすべて返済するには、約13年必要になります。13年と聞くと途方もない目標のように見えるかもしれませんが、返済期間の平均は14.5年です。240万円の奨学金を無利子で借りた場合、平均よりも短い期間ですべて返済できる計算になります。