地方で活躍を続ける首都圏出身のバス車両……元の事業者が一番分かりやすいのは都バスだと!?
■越後の国でバスウォッチしていると……
つい先日、新潟県の長岡及び柏崎駅前のバスターミナルで軽くバスウォッチをしていると、それぞれ1台ずつ、同エリアの路線バス網をカバーする越後交通の、ある車両に目が止まった。 1台目は角目2灯、2台目は角目4灯と、形状の違いはあるものの、どちらも日野自動車が製造した「ブルーリボンII」と呼ばれる車種だ。後で確認したところ、前者が2007年式で後者は2005年式であった。 越後交通といえばシルバー主体に赤い帯が入った、東急バスに良く似たボディカラーが特徴。それをもってしてもこの2台、一目見るなり「君は元・都営バスなのね」と思った。
■日本一ライトな判別方法!?
では、どこを見て元・都営だと分かったのか。注目するポイントは車内シートのモケット。都営バスのモケットは柄が特別で、マスコットの「みんくる」ちゃんがたくさん描かれている。 越後の国に渡っても、車内でそのまま愛嬌を振りまいているので、ついつい二度見してしまうこと請け合い。 しかもこの紺色地に「みんくる」ちゃんの柄、ボディの塗装より主張が強いんじゃないかという勢いで、外からでも物凄く目立つのだ。 バスの専門知識を一切知らなくても、マスコットキャラクターで判別できてしまう一般性の高さ、というのは他にちょっとない。 もしかすると、そのバスが元々働いていた出身地を知るための判断材料としては、日本一ライトかもしれない。 東京じゃない場所で「みんくる」ちゃんに出会える意外性もまた凄く楽しいので、これはこのまま残しておいてもらいたいものだ。
■気づけばそこに、あの子がいる!?
東京を離れて遠くへ行った「みんくる」ちゃん、実は新潟県内に限った話ではなかった。舞台はこれまた遠く離れた北海道。 最近大部分が廃止されてしまったJR日高本線の代替バスのうち、道南バスが運行する区間の便に使われていた、日産+西工車体のバス車両(2008年式)のシートに、混じりっ気なしの「みんくる」ちゃんがいて驚きを隠せなかったのは2024年5月のことだ。 どうやらそれだけに留まらず、これまでに青森、仙台、水戸、岩国、下関、北九州などで「みんくる」ちゃんの目撃例があるらしい。 神出鬼没・今度は一体どこに現れるのか!?訪れたその土地土地で「みんくる」ちゃん=元・都営ハンティングをやってみるのも面白そうだ。