ついに「ルパン三世」も実写化 アニメの実写映画化に立ちはだかる高い壁
人気アニメ作品の実写映画といえば、今年8月に公開された松坂桃李主演の「ガッチャマン」を筆頭に、昨年には佐藤健主演の「るろうに剣心」、綾瀬はるか主演の「映画 ひみつのアッコちゃん」、一昨年には山下智久主演の「あしたのジョー」、2010年には「SMAP」木村拓哉主演の「SPACE BATTLESHIP ヤマト」などが制作されて話題を集めた。 ■昨今のリメイクブーム 親子世代をターゲット 芸能評論家の三杉武氏は語る。 「70~80年代の人気アニメ作品は、原作の知名度が高く、昨今のリメイクブームなどの影響もあり、親子世代を家族で取り込めるといったメリットもあり、とくに00年代前半から映画業界やテレビ業界で重宝されています。アニメを原作とした映画で言えば、ほかにも『デビルマン』や『キューティーハニー』、『タッチ』、『ゲゲゲの鬼太郎』などが制作されています。親子ではないですが、幅広い年齢層にウケが良いという意味ではパチンコやパチスロなどにも重宝されていますね」 だがその一方で、話題性はあっても興行収入が振るわなかったり、内容に対して厳しい批判を受けたりするケースも多い。 ■原作とのギャップ 観客動員も伸びず 「アニメに限らず漫画や小説もそうですが、名作と呼ばれるものにはそのぶん思い入れの強いファンも多い。原作の知名度を利用しようと、“はじめにビジネスありき”で、安易に原作キャラクターのイメージに合わないタレントをキャスティングしたり、原作の世界観にそぐわないストーリーにしたりすると、手痛いしっぺ返しを受けることになる。いくら最新鋭の撮影技術や特殊メイクなどを駆使したところで、原作への愛情や尊敬の念が感じられない作品に対しては、ファンは敏感に反応します。公開前に派手な宣伝で煽ったところで、すぐにネガティブな情報がツイッターやブログなどを通じて拡散し、思ったほど観客動員に結びつかないのが実情です」(三杉氏) 原作が多くの人たちから愛されている名作であればあるほど、それだけハードルも高くなる。とくに、作品を観る側が能動的にチケットを購入し、劇場に足を運ぶ映画に関しては、相当シビアな評価が下されるというわけだ。