ずさんな対応に顧客激怒「もう買わない」の声 何がまずかった? ジャガーIペイスで充電機能に制限、英国
目的は「顧客データ守るため」 でもメーカーから直接連絡なし?
車載ソフトウェア変更の理由についてJLRは、「サードパーティ(他社)製アプリケーションが増え続ける」中で「お客様のデータを可能な限り安全に守り続ける」ための取り組みの一環だと答えた。 「その結果、一部のスマート充電料金プランが影響を受けます。エネルギー会社と協力し、お客様へお知らせをしています」 JLRによると、サードパーティからのアクセスを遮断したのは、車両データが「非公式アプリを通じて取得される」可能性があったためだという。また、「非公式アプリを使用した結果被った損失や損害に対する」オーナーの保証の権利を強固にすると述べた。 JLRは最近、増加傾向にある車両盗難対策としてセキュリティ強化に取り組んでおり、今回の顧客データ保守もその一環と考えられる。 しかし、オーナーの不満点の1つは、こうした取り組みの “伝え方” である。チャンドラーさんは、アクセスが遮断されるわずか数時間前に知らされたと言う。彼女だけでなく、複数のフォーラムで同じような話が共有されている。 さらにチャンドラーさんは、その連絡がJLRではなくオクトパス・エナジーからだったことに憤りを感じている。 「軽視されていると感じます。顔を殴られたような気分です。ジャガーのような規模と名声のある組織が、なぜ電力会社経由で大切な連絡を行うのでしょうか?」 弊誌はJLRに、なぜ顧客に直接連絡しなかったのか尋ねているところだ。本稿執筆時点では、コメントは返ってきていない。 今、改めてIペイスを購入するかどうかをチャンドラーさんに尋ねると、彼女はこう答えた。 「いいえ、買いません。少なくとも、ジャガー以外の新しいクルマに買い換えるでしょう。今は本当に印象が悪いからです」 「このクルマのことが大好きなだけに残念です。運転するのがとても楽しい。良いクルマをたくさん試しましたが、走りに関してはこれが一番好きです」 「JLRはせめて、『ご迷惑をおかけしていることは承知しています。この件についてオーナー様同士で意見を共有できるよう、カスタマーパネルを設置します』……というように伝えるべきだったと思います。そうすれば、信頼を築くことができたでしょう。自分のクルマを大切に思い、EVを大切にしている人たちを獲得できたはずです」
ウィル・リメル(執筆) 林汰久也(翻訳)