前田公輝、「自分の心に従って生きていく素晴らしさ」を体現する“海斗”を語る<君と世界が終わる日に Season5>
玉城ティナと飯豊まりえがダブル主演を務めるHuluオリジナル「君と世界が終わる日に」Season5が、Huluで独占配信中。ゴーレムと呼ばれるゾンビが蔓延る“終末世界”を舞台に、竹内涼真演じる主人公・間宮響が、生き残りを懸けた闘いに身を投じる、極限のゾンビサバイバル「君と世界が終わる日に」のSeason5では、Season4の先に待ち受ける“もう一つの道”を響が主人公となる劇場版と同時間軸で展開。明日葉(玉城)と佳奈恵(飯豊)が主人公となり、「君と世界が終わる日に」終結までの物語を描いていく。WEBザテレビジョンでは「君と世界が終わる日に」Season5のキャストへリレーインタビューを実施。第三回はSeason4に引き続き、Season5でも、下村海斗役として出演する前田公輝にインタビューを実施。同ドラマに関する思いを語ってもらった。 【写真】下村海斗役として迫真の演技を披露する前田公輝 ■前田演じる“海斗”は「裏切りのこの世界にぴったりのキャラクター」 ――Season5の出演が決まった時やSeason5が始まったと実感した時の率直な気持ちをお聞かせください。 もともとSeason4のお話をいただいた時点で、「Season5があるかも…」というお話は聞いていました。誰がどうなるのかが分からないし、全く予測もできない物語の「きみセカ」に2シーズン連続で、海斗として生きられるということはすごくうれしかったです。 海斗は初登場時、囚人服を着ていましたし、人を簡単に裏切るキャラクターでもあったので、個人的にはこの物語にぴったりの人間だと思っています。裏切り、ときには裏切られる世界で生きてきた海斗が、Season5ではどのような活躍をするのか、とても楽しみでした。 ――前田さんから見た海斗はどんな人物ですか? 海斗は本来の青春を送らなかった人間だと思います。10代とかでみんな、不器用なところを乗り越えたことで、コミュニケーションをとることができる人間に成長すると思うのですが、海斗はそれを通ってこなかったんです。 海斗はすごく曲がっていて、自分をだまさないと生きていけないような環境にいたんです。そんな海斗がSeason5では、自分をだます必要もなく、自分の心に従って生きていく素晴らしさを覚えることになります。そういった変化も楽しんでいただければと思います! ■迷い、とまどい…「何やってんだ、俺」の気持ちを正面から受け止めた ――今回、海斗を演じることで意識されたことや工夫されたことは? 今回は一人、チャレンジングなことをしていました。「何やってんだ、俺」というセリフが何度も出るほど、海斗自身が自分を理解していないまま動いているんです。 確かに海斗を演じている僕はそういう海斗のことも理解してお芝居しなければならないのですが、理解しきってしまうこともまた違うのかなと思っていました。演じる人物が自分のことを理解していないのに、僕が理解してお芝居すると、ズレが生じるなと。 だから、今回は僕もあえて理解しないという役作りをして、現場で空気を捉えて演じさせていただきました。実際、お芝居とする身としては、演じるキャラクターを理解しないで演技をする怖さがありましたが、その怖さと海斗がSeason5で感じることになる怖さにリンクしていたらいいなと感じています。 ――そんなチャレンジをする中で、苦労したことはありますか? 海斗自身が迷っているので、僕が苦労したり、迷ったりすることも正解につながりました。普段の役であれば、現場で悩んだり、苦戦したりしたことを家に持って帰り、「寝れないかも…」「あの芝居でよかったのか」と自問自答を繰り広げるんです。 でも、今回はその迷いや苦労こそが海斗にハマるんじゃないのかなと思いってました。全体通しての大枠はあるのですが、それ以外は、現場でとっさに出た感情、迷いなどを大事に演じていました。 ■飯豊まりえ、横溝菜帆と3人親戚のような空気で“恋バナ”も ――海斗にとって重要な人物と言えば、佳奈恵だと思います。そんな佳奈恵を演じる飯豊さんとのエピソードまたは印象をお聞かせください。 飯豊さんとは他の作品でも共演させていただいたことはあるのですが、これまではしっかりとお話させていただいたことがありませんでした。「きみセカ」で初めて、しっかりとお話させていただいて、ドシッとしているなと思いました。 そうかと思えば、飯豊さんはプリンセスのような一面もあるんです(笑)。ディズニーの「アラジン」の曲を流しながら、僕がメークを落としていたら、まりえさんが「見せてあげよう~」と歌いながらメークルームに入って来たんです。 僕もそれに合わせて歌い出して、わちゃわちゃすることがありました。まりえさんのおかげで僕も過酷な撮影の中、楽しく過ごすことができましたし、スタッフさんの間でもこのエピソードは印象的な出来事だったらしいです(笑)。 ――「きみセカ」現場の楽しそうな雰囲気が伝わってきますね(笑)。 あとは、結月役の横溝菜帆さんが現場にいることが撮影では癒やしになっていました。僕と、飯豊さんと横溝さんと3人でいる時間は、兄妹という雰囲気でもなく、父親と母親と子どもという関係性でもなく、親戚のような距離感で過ごしていました。 飯豊さんと横溝さんが仲良しなのは知っていたのですが、そこに僕も違和感なく一緒に過ごせたことは、とてもありがたかったですし、出来上がっている関係性の中に自然に入れてもらえることはとても光栄でした。 ――3人ではどんなことをして過ごしていたのでしょうか? 3人で恋バナもしましたし、僕と横溝さんはラジコンを操縦して遊んでいました。飯豊さんと横溝さんは僕が隣で見守る中、オセロしていました。Season5だけではないですが、ピリピリした撮影の合間に、ひと時の癒やしを感じながら、息抜きをさせていただいていましたね。 ■30代まだまだ進化中、「自分をみつめる」時間を大切に ――そんな「君と世界が終わる日に」の作品を通して、学んだことは? もっと現場がきついと思っていたんです。僕は基本的にどんな現場でも、お話させていただく時間があるのであれば、お話させていただくというスタイルでこれまでやって来ましたけれど、「きみセカ」のような世界観のお話を生み出す現場では、そういう僕のスタイルはよくないかもしれないと、クランクインをする前までは考えていました。でもいざ現場に入ってみるとそれは大きな間違いで、過酷な現場だからこそ、たくさんコミュニケーションを取り、和気あいあいと皆さん過ごすことが重要であると学びました。 ――この作品では、「生きる」がテーマになっているかと思います。前田さんにとって生きるとはなんでしょうか? 僕は家族のために生きています。僕の場合はですが、家族がいなければこの仕事は続けていくことができないと思っています。家族の喜ぶ顔が見たいですし、家族が楽しんでくれることが1番です。また、家族に限らず、友人や大切な人など、自分の身近な人たちが幸せにいてくれることが、僕の生きる意味につながっているかもしれません。 ――最後に、この作品の登場人物のように、前田さんが現在戦っていることやサバイバルしていることを教えてください。 「自分を見つめること」ですかね。僕、今32歳なのですが、自分の性格が変わってきていることを実感しているんです。 「30超えてもなんでこんな20代の感覚のままなんだろう」と思っている時があったり、いろいろな作品に関わりながら、自分を見つめる時間をすごく大切にしていて、“自分にしっくりくるもの”がないかいろいろ試していたんです。今日はこれをテーマに生きてみようと設定し、1か月ぐらい試して、生きづらかったら、そのテーマを変えて…みたいなことです。30代になってからは特に、40代に向けてどうするべきかを常に考えながら、自分と向き合いながら生きています。