10年・10万kmはまだまだ通過点!? 愛車を長持ちさせるためにやっちゃダメな禁断の走り方とは
■長持ちさせるために避けたほうがいいこと
クルマを大事にするあまり、エンジンを高回転まで回さないほうがいいという人がいるがこれは間違い。ある程度の回転まで回し、一定の速度で巡行することが必要だ。燃料を噴射する量を多くし、油圧経路の堆積を防ぐためにエンジンを中回転の3000rpmあたりまで回すといいだろう。 つまり、チョイ乗りでエンジン内部に溜まったものを外に出すイメージで、なるべく高速走行および高速巡行することを心がける(月に一度くらい)ことだ。 クリーンディーゼル車の場合もチョイ乗りや発進加速を繰り返しているだけの街乗りをしていると、DPFやEGRバルブにカーボンを堆積しやすくなってしまうため、加速時にギアを落としてしっかり回す、付着したPMを吹き飛ばすためにもエンジンブレーキを多用したほうがいいだろう。 油脂類の指定交換時期&距離を守らずに交換しなかったり、交換しても大幅に交換時期&距離を超えている、油脂類の指定部品を換えるなどといった行為は寿命を短くさせる要因の1つ。 各メーカーによっても異なるが、クルマを長持ちさせたいなら、以下のようなシビアコンディションに該当しないように気をつけよう。まず年間の走行距離が2万km以上を超えないこと。前述したチョイ乗り(1回の走行が8km以下)もよくない。 また、悪路走行(突き上げのある悪路や砂利、石、轍によって下回りにダメージを受けそうな路面や埃の多い路面)、林道や登板路走行(上り下りの往復が多くブレーキを頻繁に使用)、高度2000m以上の高地走行も避けるべきだ。ここに挙げた項目が全走行距離のうち3割以上含まれる場合、クルマがダメージを被っている場合があるので、整備工場に診てもらう機会を増やしたほうがいい。
■エンジンオイルの交換時期は?
今、ほとんどの新車のマニュアルを見ると、エンジンオイルの交換時期は環境対応のため、長くなっている。メーカーによって微妙に異なるが、次のように規定されている。 ●ガソリンNA車/1万5000kmまたは1年 ●ガソリンターボ車/5000kmまたは6ヵ月 ●NA軽自動車/1万Kmまたは6ヵ月 ●ターボ軽自動車/5000kmまたは6ヵ月 高温かつ高回転となるターボ車はNAエンジンより交換サイクルは短く、さらにシビアコンディションだった場合は以下のようにさらに短くなる。 ■シビアコンディションの場合 ●ガソリンNA/7500km、または6ヵ月 ●ガソリンターボ車/2500km、または3ヵ月 ●NA軽自動車/5000kmまたは3ヵ月 ●ターボ軽自動車/2500kmまたは3ヵ月 ハイブリッド車は、エンジン停止時間が長く、エンジンオイルが温まりにくいうえに、走行中にエンジンを何度も始動と停止を繰り返しているため、エンジンオイルにとってはシビアなコンディションとなっている。 したがって、例えばヤリスハイブリッドの場合、低粘度のオイル品質規格「JASO GLV-1」認定を取得した0W-8というハイブリッド専用の超低粘度オイルが使われている。 上記のようにメーカーが推奨しているエンジンオイル交換サイクルであれば問題ないと思うが、クルマをいたわり、長持ちさせたい人には1万kmまたは1年ごとでは物足りないハズ。 やはり愛車を長持ちさせたいなら、夏と冬、1年に2回、走行5000kmごとの交換をおススメしたい。ちなみにオートバックスでは5000kmの走行、または6ヵ月を目安としたオイル交換を推奨している。 当然、新車で購入した場合、摺動部から細かな摩擦粉が出たり、組立時に小さな金属粉が入る可能性がゼロではないため、新車購入後3000kmでの交換をおススメする。 また20年以上前のクルマの場合、夏場にヒート気味なら「20W-40」や「15W-50」といった硬めのオイルを、セルの回りが重くなる冬場は「10W-30」といった柔らかめを選定するといいだろう。