日本ハム・細川凌平

【球界ここだけの話】12日から両リーグで始まるクライマックスシリーズ（CS）ファーストステージ。パ・リーグ2位の日本ハムは本拠地エスコンで同3位のロッテを迎え撃つ。智弁和歌山高から入団4年目の日本ハム・細川凌平内野手（22）がヒリヒリする試合が続く終盤戦のテーマに「夢中」を掲げ「過去も先も考えずに今に夢中になる。（夏場の）ファームのときから自分自身のテーマにしてきた。そういう気持ちでやっていきたい」と力を込めた。 9月25日に約1カ月ぶりとなる1軍昇格を果たした際には開口一番「1軍も2軍も変わらず、自分のやるべきこと、目の前のことに夢中になってやるだけだと思います」と意気込みを語った。28日のソフトバンク戦（エスコン）に「9番・二塁」で先発出場すると、1―2の二回1死満塁で試合を振り出しに戻す貴重な中犠飛をマーク。談話でも、ひと言「夢中」と言葉を残し、打席を振り返った。 この日の試合前には円陣で声出しを務め「夢中にプレーして今日も勝ちましょう！」とナインを鼓舞した。度々、細川が口にする「夢中」という言葉。元メジャーリーガーで現在はBCリーグ・栃木でプレーする「憧れの存在」、川崎宗則氏と2軍調整中に初対面し、金言をもらったという。 「『今に夢中になってほしい』という言葉をいただきました。宗さんにお会いして、この言葉が一番心に刺さって大事なことだと思って自分のテーマにしています」 細川と川崎氏は同じ俊足巧打タイプの右投げ左打ち内野手。ともに高卒でプロの世界に入り、イチロー氏（マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター）を師と仰ぐなど共通点は多い。細川は「（川崎氏は）僕が昔からずっと見てきた選手。（僕が）中学生の頃に『逆境を笑え』という本を出されて父親と一緒に買いに行きました。宗さんに会ってからもう一度読み直しました。どんな状況であろうと常に前を向く姿は自分もずっと目指してきているところです」と目を輝かせた。 文字通り、クライマックスに差し掛かった今シーズン。日本ハムは2016年以来、8年ぶりの頂点のみを見据える。スタメンに加え、代走や守備固めなど献身的な働きでチームを支える背番号56は「ひとつずつ目の前の1勝を取っていく。夢中になって、その1試合、1勝に関われるようにしたい」と力強く語った。（加藤次郎）