澤穂希が引退会見「心と体が一致してトップレベルで戦うのが難しくなった」
サッカー女子日本代表(なでしこジャパン)を長年けん引してきたINAC神戸のMF澤穂希(ほまれ)(37)が17日、都内で引退会見を行った。「心と身体が一致してトップレベルで戦うのが難しくなったと感じたから。人生最大の決断になったが、本当に最高のサッカー人生だった」と引退理由を語った。 【写真】「最高」で「納得」のサッカー人生 澤穂希 あくなきサッカーへの情熱
引退を意識したのは去年。「去年から現役を続けるか自問自答を繰り返してきた」。代表を外れた時にいろいろなことを考えたという。そして今年のW杯を終え、「その瞬間に悔いなくやり切ったと思った。そのときくらいから今年いっぱいかな、という気持ちでここまで来た」と明かした。 今年8月に辻上裕章さんとの結婚を発表した。結婚と引退との関係はあるかについては「まったくない。結婚していようがしていまいが決断に変わりはなかった。逆に(夫が)支えてくれたので、この1年がんばれた」と語った。 引退後については、サッカーに関連して「『澤穂希にしかできない仕事』をやっていきたい。子供が好きなので、女子サッカーの底辺を広げる意味で子供に夢を与える仕事をしたい」とした。指導者については「現役中は『ない』と思っていたが、今後はもしかしたらやりたい気持ちになるかもしれない」と含みを残した。 15歳で代表デビューした澤は、女子ワールドカップ(W杯)に6大会連続で出場。2011年のドイツ大会では主将として臨み、決勝の米国戦では劇的な同点ゴールを挙げるなど日本を初優勝に導いた。この大会で5ゴールを挙げて得点王と最優秀選手に輝き、同年度にはアジア人として男女初となるFIFA最優秀選手賞にも選出された。また、なでしこジャパンとして国民栄誉賞も受賞した。 12年のロンドン五輪では銀メダル獲得に貢献、今年のW杯カナダ大会でも準優勝したチームを支えた。日本代表として歴代最多の通算205試合に出場し、83ゴールを挙げた。 (撮影:山本宏樹/DELTA PHOTO)